「落ち着いて」を愛犬に上手に伝えよう

こんにちは。内田友賀です。

急に涼しくなりましたね。お出かけしやすい時期に、愛犬と色々な場所に出かけてみるのはいかがでしょう。初めての場所や知らない匂いなど、新しい経験は、有意義な学びになるチャンスです。

さて、今日はお散歩やお出かけに少し良いエッセンスをプラスする「DOWN(フセ)」のお話です。

「伏せる姿勢」の意味

人も含め多くの動物は、大地に体をつけることで、安心感を得るといいます。そして、地面につけている面積が多い方が、よりその効果を受けやすいと言われています。

地面にお腹をつけている動物を見た時、リラックスや休息のイメージがしますよね。

一方で、興奮状態を落ち着けたい時にも、伏せの姿勢が効果的だと言われています。警察犬や牧羊犬など、動きたい衝動を抑える必要がある場合に見かけるポーズだと思います。

つまり、フセという姿勢は「落ち着いた心理状態」を作りやすいポーズなのです。

東洋思想でも言われる「エネルギーの場所」

私たちがよく使う言葉でも、「テンションが上がる」「頭に来る」など、興奮状態には上の方にエネルギーが行き、「落ち着く」「肝っ玉(腹)が座る」など、興奮を下げる時にはエネルギーをお腹に集める表現をします。

まさに、これ。頭の方に行ってしまったエネルギーを「お腹」に下げてあげるようなイメージです。

まずは成功しやすい場所で練習♪

興奮している愛犬に突然「DOWN!」と言っても、それは難しいものです。そこで、日頃から色々な場所で「DOWN」をしてみることをおすすめします。

犬にとって、屋外は家の中より脳を刺激するため、楽しい・怖いなど興奮した状態になりやすい環境です。

まずは、公園や人通りの少ないところなど、できるだけ不安や興奮要素の少ない場所を選んで「DOWN」のコマンドを出してみましょう。初めは上手くいかないかもしれません。

けれど、大切なことは必ず成功体験で終わらせてあげること。そのためにも、最初からハードルを上げずに、落ち着ける場所を選ぶことが大切なのです。

そして、成功した時には充分に褒めてあげてください。

褒め方も大切!

ただし、この時に高い声を出したりグシャグシャと撫で回す行動は、犬を興奮させてしまいます。せっかく頑張って落ち着いた愛犬の努力が、まるで台無しです。

フセの姿勢を心地よいと感じられるように、穏やかな声で、優しくゆっくり撫でてあげることが大切。そして「ヨシ」と言ってポーズの解除をしてあげましょう。

「褒める」となると、通り一遍に高い声でテンションをあげて褒める人がいます。しかし、愛犬の心情や環境に合わせた褒め方をしてあげることが大切です。

「いきなりDOWNゲーム!」大切なのは楽しむ気持ち

これを、1日1回で良いので、色々な場所やタイミングで挑戦してみることです。わずか数秒の「いきなりDOWNゲーム」を毎日続けることで、愛犬はいつ飼い主さんから「DOWN」があっても、状況に惑わされずコマンドを聞ける関係を作ることができ、落ち着きを取り戻してあげることができるようになります。

命令をするのではなく、一緒に楽しむこと。

一度に続けて何回も、飽きるほどやらないこと。

伏せには「落ち着く」という意味があることを、忘れないこと。

そして、自分を抑えて落ち着いてくれた愛犬に、あなた自身も落ち着いて「ありがとう」を伝えること。

これがより良い形で成功するコツです。

必要な時に「DOWN」ができる大切さ

生活の中には、愛犬に落ち着いていて欲しいシーンがあります。例えば動物病院やカフェなど、愛犬の興奮が他の犬や人に良くない影響を与えてしまう時です。そんな時でも、フセができるようになると、「ここでは落ち着いていないといけないんだな」と理解し、他の環境に惑わされずに自分自身の力で落ち着くことができるようになります。

愛犬の本能と、大地の力、そして飼い主さんの愛が成せる技ですね。

気候の良いこの時期。ぜひ一緒に挑戦してみてください。

Lots of Love.

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