幻のサツマイモ、今も…戦時中の食生活支えた「太白イモ」秩父で今季の出荷始まる 保存するとより甘く

身が白い「ちちぶ太白サツマイモ」を出荷する生産者=12日午後2時ごろ、埼玉県秩父市大野原の市公設地方卸売市場

 身が白く、ねっとりとした舌触りが特徴のサツマイモ「ちちぶ太白(たいはく)サツマイモ」の出荷が12日から、埼玉県秩父市大野原の市公設地方卸売市場で始まった。出荷は約1カ月間続く。

 太白イモは戦前から全国で生産され、戦時中の食糧難の時代に重宝されていた。戦後、食生活が豊かになると消費者も生産者も減り、「幻のサツマイモ」と呼ばれるようになった。

 あの懐かしい味をみんなに届けようと、2006年にちちぶ太白サツマイモ生産組合が発足。今年は農家15人が約1万3千本を1ヘクタールに作付けした。吉川稔組合長(58)は「今年は猛暑が続いた影響で、大きさに多少ばらつきがあるが、上質なものができた。寒くなる12月ごろまで保存しておくと、より甘くなる」とすすめている。

 年内の注文は限定150箱。価格は1箱5キロ2500円(送料・代引き手数料別)。住所、氏名、電話番号を明記し、同組合宛てにはがき(〒368―0005 秩父市大野原130)かファクス(0494.21.3021)で申し込む。

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