リンゴ農家ボランティアツアーが人気、定員300人すでに完売 青森・弘前市でスタート

リンゴの収穫をするボランティアの参加者たち=15日午前、弘前市原ケ平のリンゴ園地

 旅行大手のJTB(本社東京)が商品化した青森県弘前市のリンゴ農家の作業を手伝うボランティアツアーが15日、スタートした。弘前駅までの交通費や前後の宿泊代は参加者の自腹だが、全5回の定員計300人分は既に完売し人気商品になっている。

 ツアーは同社と弘前市、県産リンゴを使ったシードルを製造・販売するアサヒビールとニッカウヰスキーの4者が、人手不足にあえぐリンゴ農家を支援するために企画した。11月12日までに5回実施する。

 初日の15日は、約50人が汗を流した。弘前市原ケ平の小林政貴さん(51)の園地では6人が参加し、シナノゴールドを収穫した。小林さんは「人手が集まらないので助かる。何より楽しそうに作業してもらえるのはうれしい」と喜ぶ。

 作業の日当は出ないが、県外から足を運ぶ人も少なくない。埼玉県の40代女性会社員は「普段やれないことができ、行けないところへの旅行のきっかけになる」と参加を決めたという。アサヒビール社員らも参加しており、都内の本社で勤務する三浦千明さん(27)は「どうやってリンゴが育てられるか知りたかった。つるを残して収穫するのは想像以上に難しかった」と話した。弘前市農政課の澁谷明伸課長は「参加者300人は高い目標だった。完売に驚きもあるが日本一の産地だからこそ集まっていただけたと思っている」と話した。

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