中須賀克行「SUGOで敗れて這い上がったことで、一回り成長できた」/2023全日本ロード チャンピオン会見

 10月15日、『2023年MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第8戦 第55回 MFJグランプリ スーパーバイクレースin鈴鹿』が三重県の鈴鹿サーキットで行われた。レース後にはチャンピオン会見が開かれ、最高峰JSB1000クラスの王者に輝いた中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が出席して今シーズンの振り返りと王座獲得の喜びを語った。

 2021年、2022年にも王者に輝いた中須賀は、今シーズンも圧倒的な強さを見せ、連勝記録を27に伸ばしていった。第3戦SUGOのレース1でチームメイトの岡本裕生に敗れて記録がストップしたが、前戦の第7戦岡山までの10レース中9勝目を挙げ、最終戦を残して自身12回目のJSB1000タイトルを獲得した。

 しかし、毎戦岡本との熱いバトルを繰り広げながら、その後も安定した強さを発揮し、3連覇を成し遂げた。最終戦鈴鹿ではレース1の最終ラップに岡本のインを刺して転倒。レース2は怪我もあり欠場となった。2023年の12レース中9勝を含む10度の表彰台に上った中須賀は、タイトル獲得について次のように嬉しさを語った。

中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)/2023全日本ロード JSB1000 チャンピオン

「1年を振り返ると、毎年そうですが、いろいろなテーマがあるなかで、今年も全戦優勝を目標に掲げて戦っていました。SUGOで(岡本)裕生くんに敗れて、そこからもう一度レースに対しての向き合い方を、改めてそこからまた這い上がって、自分のいいところをしっかり伸ばせるように、苦手なコースもコーナーも克服でき、一回り成長できたシーズンだったかなと思います」

「前戦の岡山でチャンピオンを決められて、ここ鈴鹿が得意だっただけに、しっかり優勝して最後を締めくくりたかったのですが、レース1で転倒して怪我をしてということということで……。レース1はいいレースをしていただけに、一緒に転倒して巻き込んだ裕生くんには申し訳ない気持ちでいっぱいです。ほぼ裕生くんが勝っていたので、そういう意味でも裕生くん自体のリズムを崩させてしまったかなと思っています」

「そこはしっかり謝りたいなと思っていますし、今日裕生くんがレース2に向けてしっかり走っている姿を見て、改めて成長を感じられましたし、切磋琢磨した結果がお互い高め合えたシーズンになったかなと思います。そして、来年も引き続き切磋琢磨していいレースができればなと思います」

「(印象に残ったレースは)SUGOの2位になったレースが、悔しかったし、あれをきっかけに自分もレースへの向き合い方をしっかり明確に変えることができたので、非常に印象に残っているレースですね」

「全体的にJSB1000クラスも若い選手がどんどん伸びてきていて、今の状況を非常に嬉しく思っていますし、来年以降ももっと切磋琢磨して、全日本ロード自体が盛り上がっていけるように、選手たちみんなが頑張っていけたらなと思っています」

2023全日本ロードレース選手権 チャンピオン
チャンピオンに輝いた中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)/2023全日本ロード第7戦岡山 JSB1000 決勝
チャンピオンに輝いた中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)/2023全日本ロード第7戦岡山 JSB1000 決勝
JSB1000王者に輝いた中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)のヤマハYZF-R1/2023全日本ロード第7戦岡山

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