【台湾】TSMC創業者、「今後の挑戦は厳しい」[IT]

ファウンドリー(半導体の受託製造)世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の創業者である張忠謀氏は14日、同社の今後数年間の挑戦が過去と比べて厳しいものとなるとの考えを明らかにした。中央通信社が伝えた。

TSMCが同日、新竹県立体育場で開催した全社運動会での発言。張氏は、「半導体産業においては、すでにグローバル化から遠ざかり、自由貿易もなくなった」との見方を示した。

張氏は、2019年同運動会での自身の「TSMCはすでに世界の地政学戦略家による争いの場となっている」という発言が、「過去4年間で証明された」と述べた。

今後については、「他社が地政学的な情勢を利用してTSMCを打ち負かしに来るだろう」と指摘し、「TSMCの今後数年間の挑戦は、過去よりも厳しくなるだろう」との見通しを示した。ただ張氏は、「TSMCは打ち勝つことができると信じている」と強調し、「再び奇跡を起こそう」と従業員らに呼びかけた。

このほか張氏は、台湾半導体産業の環境が今後変化する可能性も示した。現在の台湾半導体産業の優位性の一つとして、24時間体制で設備のサポートなどを行っていることを挙げた。ただ、今後20~30年で状況は変化する可能性があるとして、その間に他国・地域が台頭することに懸念を示した。

TSMCの全社運動会には、張氏のほか劉徳音董事長らが参加。劉氏によると、同運動会は今年で26回目の開催となる。

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