10月15日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された『2023年MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第8戦 第55回 MFJグランプリ スーパーバイクレースin鈴鹿』のJSB1000クラスのレース2では、津田拓也（AutoRace Ube Racing Team）が特別カラーリングを施したマシンで出走を行った。
AutoRace Ube Racing Teamは、2023年シーズンからJSB1000にフル参戦しているチームだが、鈴鹿8耐にも初参戦を果たした。新規参戦チームながらもトップ10トライアル進出を果たすと、多くのファンを沸かせる『サプライズ』を用意していた。
スズキのテストライダーも務めていた津田が、青いヘルメットとつなぎを身に纏い、スズキMotoGPカラーを施したスズキGSX-R1000Rで出走。1周のためだけに用意された特別仕様のマシンでアタックを行い、大きな反響を集めた。
チーム・スズキ・エクスターが2022年限りでMotoGPから撤退したことを受けて「残念に思っていたファンを元気づけよう」と『スプライズ』遂行された企画だった。「もう一度見たい」という多くの希望の声を受け、全日本ロード最終戦での復活に向け、チーム初の試みとなるクラウドファンディングを実施。その結果、支援者196名から総額200万円を超える支援金が集まり、待望のスズキMotoGPカラーが復活し、レース2では津田が再び青いカラーリングを施したマシンを走らせることが実現した。
「この企画をするにあたって、たくさんの人が協力してくれて、現実になったので、注目度が高いことがわかりましたし、応援してくれる人も多くて嬉しかったです」と津田は語った。
「レース2ではレース1のように表彰台に立つことを目標に頑張りましたが、天候や状況が自分たちが思っていたことと真逆になってしまい、セーフティカーが入ったり、最後に雨が降ったりして後半に厳しくなってしまいましたが、みんなに走ってるところを見てもらえたんで、良かったです」
「スズキのカラーリングで走るのを喜んでくれるのはいいことですし、スズキにも手を入れてもらって、自分たちもレベルアップをしたいです。ホンダ勢がヤマハに勝てるぐらいの状況になってるっていうのは脅威なので、追随するためにはメーカーの協力が必須なのでアピールすることによってスズキがレースに向けて動いてくれると嬉しいなと思っています」
「レースを応援してもらえる方はすごく多いと思っていますが、サーキットに足を運んでもらえる方が実際少ないと感じる部分があります。自分たちがちょっとでも発信して興味を持ってもらえたらなというのをやり続けることで、応援してくれる人が増えると信じてやり続けます。YouTubeやSNSをこまめに更新しているので、是非見て頂いて、内面を知ってもらって応援したいきっかけになればなと思います。自分たちのチームだけでなく、ロードレース全体を盛り上げたいという気持ちでやっていますので、来年はさらにレベルアップできると信じていますし、この冬の間に用意します」
「来年はさらに応援しがいのあるチームに仕上がると思いますので、全力で応援するに値するようなチームできるように、この冬に全力でプッシュしていくので、応援をよろしくお願いします」
粋な計らいから生まれた『サプライズ』と、そのマシンをもう一度見たいと願う多くのファンの願いから、鈴鹿8耐に続き全日本ロード最終戦でも実現に至った今回のクラウドファンディング。なお、AutoRace Ube Racing Teamはもうひとつの目的でもあった社会貢献活動の一環とし、支援金の中から20万円をSide Stande Projectを主催する一般社団法人 SSPに寄付するという。
