マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットで開催された2023年MotoGP第15戦インドネシアGP。10月15日にMotoGPクラスの決勝レースが行われ、レプソル・ホンダ・チームのマルク・マルケスとジョアン・ミルはともに転倒を喫しリタイアに終わった。また、復帰戦に挑んだアレックス・リンス（LCRホンダ・カストロール）は9位でポイントを獲得。日本の中上貴晶（LCRホンダ・イデミツ）は11位でレースを終えた。
灼熱の中、開催された2度目のインドネシアGP。グリッドに並んだ3分の1の選手が転倒やトラブルに見舞われる過酷なレースとなり、レプソル・ホンダ・チームのふたりにとっても厳しい結果となった。
予選8番手を獲得するもスプリントレースのオープニングラップで転倒したマルケスは、決勝レースで巻き返しを狙うもオープニングラップで11番手にポジションダウン。2周目に8番手に浮上するも、その後、10番手へと再びポジションを落とすが、トップ10以内で快調にラップを刻んでいた。しかし、8周目に転倒。スプリントレースに続き決勝レースもリタイアとなった。
チームメイトのミルは、19番手グリッドからスタート。周回するごとに確実にポジションを上げたが、11番手を走行していた12周目に転倒しリタイア。しかし、この日の走行ペースはトップ6を狙えるほど好調だった。厳しい週末となったレプソル・ホンダ・チーム。2台ともにリタイアとなったのはイギリスGP以来だ。
6月に開催されたイタリアGPで右足を骨折し、約4カ月にわたり治療とリハビリを続け日本GPで電撃復帰を果たしたリンス。日本GPでは初日の走行のみで欠場していたが、インドネシアGPでは決勝レースまでしっかりと走りきり、9位でチェッカーを受けた。
最後尾のグリッドとなる21番手から決勝に挑んだリンスは、周回を重ねる毎に確実にポジションを上げていく。前日のスプリントでは右足の痛みをこらえながら18位完走となったが、決勝レースでは痛みを感じながらもフィーリングを取り戻し、完走わずか14台という厳しいレースを最後まで走り抜きった。
リンスのペースは、前半は1分32秒台でしたが、中盤は1分31秒台へとペースを上げ、終盤は少しペースを落とすも最後まで冷静な走りを見せシングルフィニッシュを果たした。貴重なポイントを獲得したリンス。その熱い走りにサーキットにつめかけたファンからも、大きな拍手が送られた。
LCRホンダ・イデミツの中上貴晶も予選20番手から追い上げをみせる。リタイア続出の過酷なレースを、粘り強い走りでゴールまで駆け抜け11位でポイントを獲得した。
■マルク・マルケス（決勝：リタイア）
「今大会はいいかたちで始まったが、日を追うごとに複雑になった。今日の決勝では序盤に少し順位を落としたが、冷静さを保ち、パニックにはならなかったよ」
「目標は完走すること。それをしっかり意識して走っていたが、残念なことに13コーナーでフロントタイヤのグリップを失い転倒してしまった。なぜ転倒をしたのか理解するのが難しいクラッシュだった。気持ちを切り替えて、次戦オーストラリアGPのことを考えるよ」
■ジョアン・ミル（決勝：リタイア）
「今大会は転倒という最悪の結果に終わったが、可能性を感じるレースだった。スタートはよかったが、序盤の混戦の中でモルビデリに少しひっかかってしまった。その後、1分31秒台の好ペースでミラーたちのグループに追いついた」
「今日のレースで好タイムをマークしていたのはマルティンだけ。その後ろのグループで戦えたことは、決して喜べることではないが、ポジティブなポイントだ。次戦オーストラリアGPの舞台となるフィリップ・アイランド・サーキットは好きなサーキットなので、もう少しペースを上げて走れるように改善していきたい」
■アレックス・リンス（決勝：9位）
「残り10周になったころから右足に痛みを感じ始めたので、27周を走りきるのは大変だった。可能な限りベストを尽くそうと集中し続けた。100日以上レースから遠ざかっていたが、こうしてポイント圏内に戻ってくることができてうれしいよ。いつもすばらしい仕事でサポートしてくれるチームに感謝したい」
■中上貴晶（決勝：11位）
「今日はリヤタイヤにソフトコンパウンドを選択したのですが、タイヤの消耗をコントロールするのが難しく、レース終盤は、チェッカーを受けるために全力を尽くさなければなりませんでした。昨日のスプリントからセットアップはいい方向に向かっていますが、タイヤのパフォーマンスをうまく生かす必要があります。今大会のデータをもとに、連戦となるオーストラリアGP、タイGPに挑みたいです」
