リーグ優勝決定シリーズ開幕 カギを握る各チームの「先発4番手」

MLBのプレーオフは日本時間10月16日にアメリカン・リーグのリーグ優勝決定シリーズ、同17日にはナショナル・リーグのリーグ優勝決定シリーズが開幕。ステージが上がるごとに試合数が増え、いよいよ4勝先取・最大7試合制のシリーズに突入する。第1戦で先発するエースを第4戦に起用すると中3日の登板となってしまうため、リーグ優勝決定シリーズでは先発投手を4人用意するのが一般的。「先発4番手」のクオリティがシリーズを左右すると言っても過言ではない。ここでは各チームの「先発4番手事情」を見ていこう。

レンジャーズとダイヤモンドバックスはともにワイルドカード・シリーズを2連勝、地区シリーズを3連勝で勝ち上がってきたため、ここまで先発投手を3人しか起用していない。レンジャーズはジョーダン・モンゴメリー、ネイサン・イオバルディ、アンドリュー・ヒーニー、ダイヤモンドバックスはザック・ギャレン、メリル・ケリー、ブランドン・ファートの3人だ。

フィリーズはワイルドカード・シリーズで2連勝したあと、地区シリーズでは4試合を戦ったが、第1戦と第2戦のあいだにオフが入る変則日程だったため、こちらもザック・ウィーラー、アーロン・ノラ、レンジャー・スアレスの3人だけで先発を回すことができた。ここまでの戦いで4人の先発投手を起用したのはアストロズ(ジャスティン・バーランダー、フランバー・バルデス、クリスチャン・ハビアー、ホセ・ウルキディ)だけである。

ウルキディはレギュラーシーズンで3勝3敗1セーブ、防御率5.29に終わったものの、ワールドシリーズ通算3勝などプレーオフでの実績を買われ、レギュラーシーズン11勝の新人右腕J・P・フランスとの争いを制して地区シリーズ第4戦の先発に抜擢。6回途中3安打2失点の力投を見せ、チームを勝利に導いた。メジャーデビューした2019年から毎年プレーオフに出場するなど大舞台での経験が豊富なウルキディがリーグ優勝決定シリーズでも4番手を担うことになるだろう。

レンジャーズは故障離脱していたマックス・シャーザーがリーグ優勝決定シリーズから復帰。第3戦で先発する可能性があるとみられている。シャーザーが3番手に入れば、地区シリーズ初戦で合計5回2/3を投げたヒーニーとデーン・ダニングのコンビが4番手にスライドするだけであり、レンジャーズも4番手のクオリティが大きく落ちることはない。むしろシャーザーの状態がどこまで回復しているかがポイントになりそうだ。

フィリーズはタイワン・ウォーカーとクリストファー・サンチェスの2人が4番手の座を争っている。レギュラーシーズンで15勝を挙げたウォーカーだが、防御率は4点台。一方のサンチェスは3勝5敗ながら防御率3.44をマークした。両者とも日本時間10月1日のメッツ戦で登板したのが最後であり、実戦形式の練習で登板して試合勘を養っている。

ダイヤモンドバックスはレギュラーシーズンでギャレンとケリーの2本柱以外に計算できる先発投手が1人もいなかった。プレーオフに入ってからは新人右腕のファートが3番手として奮闘しているが、4番手が決まらない。第3戦までに劣勢を強いられることになった場合、第1戦での球数や投球イニング次第では、ギャレンが中3日で第4戦に先発する可能性もあるようだ。通常の投手起用をするのであれば、レギュラーシーズンでチーム3位の144イニングを投げたライン・ネルソンが最有力候補だが、防御率5.31と不安が残る。

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