雨のサバイバルレース 国内外のトップレーサーが激闘 ジャパンカップサイクルロードレース2023

 今年(2023年)で第30回の記念大会となるアジア最高位の自転車ロードレース「ジャパンカップ」が15日、宇都宮市の森林公園を舞台に行われ、国内外のトップ選手たちが、雨の中、熱戦を繰り広げました。

 朝から本降りの雨となった30回目のジャパンカップは、悪天候により、スタート前に16周から13周、距離では約30キロ短い133.9キロに短縮されることが決まりました。

 世界トップカテゴリーの7チームが出場する豪華メンバーが揃い、地元の宇都宮ブリッツェンがどこまで食らいつけるか、ホームの意地を見せたいところ。午前10時にスタートの号砲が鳴り107人が一斉に走り出すと、レースは序盤から海外勢が積極的に動く展開となります。

 まず、観客を沸かせたのは、前日のクリテリウムでも見せ場を作ったジャパンカップ初参戦、世界王者を2度獲得しているスーパースター、ベルギー、スーダル・クイックステップのジュリアン・アラフィリップ。2周目の下りでできた有力選手を含む4人の逃げから、単独で逃げ出し、3周回ごとに設定された3周目と6周目の山岳賞を獲得。名物となっているつづら折りの古賀志林道では、大勢のファンが急な坂を駆け上がる選手たちに声援を送りました。

 アラフィリップは、そこから8周目の終盤まで一人旅を続け、集団に吸収されるとレースは振り出しに戻されます。その後は、海外勢で構成された先頭集団がアタックを繰り返しますが決定的な逃げは決まらず、周回を重ねます。そして最後の1周、13周目に入る頃には有力選手3人が後続に1分余りの差をつけ勝負の行方は、このグループに委ねられます。ゴール手前300メートルから始まったスプリント勝負をベルギー、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティのルイ・コスタが3番手から差し切り、初優勝を飾りました。日本人最高は、愛三工業レーシングの岡本隼の15位、宇都宮ブリッツェンは、谷順成が28位でした。

 スタートからゴールまで降りしきる雨の中で行われた大会は、完走が48人とサバイバルレースとなりましたが、激闘を演じた選手たちを称えるかのようにゴール後には、青空に。30回記念大会は海外勢の強さが際立つ結果で幕を閉じました。

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