【米ビルボード・アルバム・チャート】ドレイク『フォー・オール・ザ・ドッグス』で通算13作目のNo.1獲得

ドレイクのニュー・アルバム『フォー・オール・ザ・ドッグス』が1位に初登場した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

『フォー・オール・ザ・ドッグス』は、昨年6月に発表した前作『オネストリー、ネヴァーマインド』から約1年4か月ぶり、通算8作目のスタジオ・アルバムで、首位獲得は昨年11月19日付で1位に初登場した21サヴェージとのコラボレーション・アルバム『ハー・ロス』以来約11か月ぶり、以下のコンピレーション・アルバム、ミックステープを含む通算13作目のNo.1タイトルとなる。

スタジオ・アルバム
『サンク・ミー・レイター』(2010年)
『テイク・ケア』(2011年)
『ナッシング・ワズ・ザ・セイム』(2013年)
『ヴューズ』(2016年)
『スコーピオン』(2018年)
『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』(2021年)
『オネストリー、ネヴァーマインド』(2022年)
『フォー・オール・ザ・ドッグス』(2023年)

ミックステープ
『イフ・ユーアー・リーディング・ディス・イッツ・トゥー・レイト』(2015年)
『ホワット・ア・タイム・トゥ・ビー・アライヴ』(2015年)
『モア・ライフ』(2017年)

コンピレーション・アルバム
『ケア・パッケージ』(2019年)

コラボレーション・アルバム
『ハー・ロス』(2022年)

上記のとおり、ドレイクはわずか2年間で『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』、『オネストリー、ネヴァーマインド』、『ハー・ロス』、そして本作『フォー・オール・ザ・ドッグス』の4作を首位に送り込んでいる。

Billboard 200の集計が始まった1956年3月以降、首位獲得数の歴代トップは19作を記録したザ・ビートルズで、続いてジェイ・Zの14作、ドレイクは同12作で並んでいたテイラー・スウィフトを上回り、単独で3番目の記録を更新した。

なお、テイラー・スウィフトは再録プロジェクト第4弾となる『1989 (テイラーズ・ヴァージョン)』を今月27日にリリースする予定で、再びその記録に並ぶ可能性が高い。

『フォー・オール・ザ・ドッグス』は、初週の集計期間(2023年10月6日~10月12日)にアルバム・ストリーミングが391,000、アルバム・セールスが10,000、トラックによるユニットは1,000をそれぞれ記録して、累計402,000ユニットを獲得した。2023年の週間ユニット数としては、以下に続く4番目の高記録を達成している。

716,000 テイラー・スウィフト『スピーク・ナウ(テイラーズ・ヴァージョン)』(2023年7月22日付)
501,000 モーガン・ウォレン『ワン・シング・アット・ア・タイム』(2023年3月18日付)
496,000 トラヴィス・スコット『ユートピア』(2023年8月12日付)
402,000 ドレイク『フォー・オール・ザ・ドッグス』(2023年10月21日付)

なお、セールス10,000の内訳はすべてデジタル・ダウンロードで、CDやアナログ盤などのフィジカルはリリースされていない。

402,000ユニットの97%を占めたアルバムの週間ストリーミング(391,000)は、全23曲で5億1,401万回を記録していて、ストリーミングのみの週間記録としては、2023年の最高記録を更新した。なお、歴代記録の上位5作は以下のとおりで、そのうち4作をドレイクの作品が占めている。

ドレイク『スコーピオン』(2018年7月14日) 7億4,592万回
ドレイク『サーティファイド・ラヴァー・ボーイ』(2021年9月18日) 7億4,367万回
テイラー・スウィフト『ミッドナイツ』(2022年11月5日) 5億4,926万回
ドレイク『フォー・オール・ザ・ドッグス』(2023年10月21日付) 5億1,401万回
ドレイク&21サヴェージ『ハー・ロス』(2022年11月19日) 5億1,356万回

『フォー・オール・ザ・ドッグス』は、今年の6月にリリースが告知され、当初の予定だった9月22日から10月6日に発売が延期された。また、通常は金曜日の午前0時にリリースされることがほとんどだが、本作は発売日の10月6日午前6時にリリースされていて、若干のブランクがある。

ドレイクの登場により、先週1位に返り咲いたモーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』(72,000ユニット / 3%減少)は、今週2位にダウン。ロッド・ウェーブの『ノスタルジア』(59,000ユニット / 16%減少)も2位から3位、オリヴィア・ロドリゴの『ガッツ』(59,000ユニット / 12%減少)も3位から4位にそれぞれ順位を下げた。

ザック・ブライアンの『ザック・ブライアン』(53,000ユニット / 9%減少)は5位、シザの『SOS』(50,000ユニット / 4%減少)も6位をそれぞれキープして、テイラー・スウィフトの『ミッドナイツ』(42,000ユニット / 2%減少)が8位から7位、トラヴィス・スコットの『ユートピア』(40,000ユニット / 12%減少)が7位から8位に順位を入れ替えた。

続いて今週9位には、米バーモント州出身のシンガー・ソングライター=ノア・カハンの『スティック・シーズン』が先週の13位から上昇して、3位にランクインした2023年6月24日付以来、約4か月ぶりのTOP10入りを果たしている。

『スティック・シーズン』は、2022年10月にリリースした3作目のスタジオ・アルバムで、2022年10月29日付で14位に初登場した後、最高位は更新しなかったが、2023年6月9日に7曲を追加したデラックス盤とアナログ盤をリリースしたことでポイントが急増し、6月24日付で3位にランクインした。

以降TOP10にはランクインしていなかったが、今月に入って収録曲の「シー・コールズ・ミー・バック」にケイシー・マスグレイヴスが参加したリミックスがリリースされたこと、それから英BBCラジオ1の番組『ライヴ・ラウンジ』で、オリヴィア・ロドリゴがタイトル曲の「スティック・シーズン」をカバーしたことが話題になり、ポイントが上昇して今週9位に再ランクインを果たした。週間ユニットは、前週から26%増加の39,000に上昇している。

10位は、テイラー・スウィフトの『ラヴァー』(39,000ユニット / 4%減少)が先週の11位からワンランクアップして、再びTOP10入りした。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは10月20日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『フォー・オール・ザ・ドッグス』ドレイク
2位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォレン
3位『ノスタルジア』ロッド・ウェーブ
4位『ガッツ』オリヴィア・ロドリゴ
5位『ザック・ブライアン』ザック・ブライアン
6位『SOS』シザ
7位『ミッドナイツ』テイラー・スウィフト
8位『ユートピア』トラヴィス・スコット
9位『スティック・シーズン』ノア・カハン
10位『ラヴァー』テイラー・スウィフト

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