日大エース西尾 準決勝に続いて完封 さらなる飛躍を誓う

 練習試合を含めて今季初対戦となった長崎日大-海星の決勝は、長崎日大が初回の1得点を無失点で守り抜く“スミ1”で秋連覇を達成。平山監督は「優勝と2位は全然違う。西尾がしっかりと投げてくれたのが前提だけれど、ノーエラーで全員がよく守った」。準決勝に続いて完封したエースをねぎらった上で、チーム力の勝利を強調した。
 14日の大崎戦から連投となった西尾は「無失点でいけば負けることはない」と言い切って躍動した。五回1死一、三塁でスクイズを狙われた場面は内角カットボールでバットにすら当てさせず、球速は九回でも144キロを記録。奪三振こそ準決勝の17から6に減ったが、疲れを見せず、全試合2桁安打を続けてきた海星打線に動じなかった。
 その大黒柱が「野手のおかげ」と口にしたように、バックも無失策で右腕を支えた。抜群の実力を誇った先輩からマスクを継いだ捕手山田は重圧の中で配球、捕球、送球どれもそつがなく、七回には二塁川原が二遊間の安打性のゴロを華麗に処理。守備からリズムをつくる鉄則をチームで徹底し、主将の加藤は「自信になった」と胸を張る。
 この春に県勢初の甲子園ダブル出場を果たした好敵手の海星も手ごわかった。21日には既に練習試合で“再戦”を予定。続く九州大会は決勝まで当たることはなく、ここからは共闘しながらセンバツを目指す。昨年は長崎日大が決勝、海星が準決勝で惜敗。西尾は「1勝1勝を大事にして(優勝校が出場できる)明治神宮大会に行きたい」とさらなる飛躍を誓っていた。

© 株式会社長崎新聞社