高校生が「バイオメカニクス」を研究 AIアプリで運動能力アップ

調布市の高校でAIを搭載したアプリを使い、運動能力をどう向上できるかの研究しています。最新の技術を使ったスポーツの授業を取材しました。

調布市の高校でAIを搭載したアプリを使い、運動能力をどう向上できるかの研究しています。最新の技術を使ったスポーツの授業を取材しました。

バレーボールのコートにタブレットを設置し、ボールを打つ様子を撮影するのは、調布市にある中高一貫校、ドルトン東京学園の生徒たちです。

生徒:「アプリに落とし込むための材料をこれで取ろうとしています」「(Q:何の授業なんですか)バイオメカニクスという授業というかラボをとっていて」「どうやったらもっと強く蹴られるのかとかそういうのを考えるラボ」

体の動きの仕組みを研究するバイオメカニクス。その研究をするラボと呼ばれる特別授業では、動作分析アプリを使って、運動能力を高めるための体の動きを調べ、成果を発表します。授業の狙いを、担当する小林先生は…

小林先生:「感覚的なものがスポーツではあるが、そこを画面を通してまた数字としてデータとしてみることで、競技力をあげることであったりとか、必要としている生徒がいるんじゃないかということで今回取り入れてみました」

このアプリを使えば、撮影された競技者の頭やひじ・ひざなど、測定したい所に印をつけることで、その部分の速度や角度を数値化して見ることができます。生徒たちはデータを分析し、体のどの部分の動きを改善すべきか仮説を立てて、ボールを蹴る強さや走るスピードなど技術の向上につなげます。

サッカーを研究:「軸足のひざが曲がっていることで腰がひけちゃって、ボールに力が十分伝わらないのではないかと。初心者の僕の場合は蹴り足は加速できていないんですけど、経験者の人の場合はかなり加速できていることがわかります」

短距離走を研究:「タイムが早い人ほどモモが上がってくる。タイムが低い人ほどモモは下がってくる。圧倒的な違いが見られました」

ラボを受講した生徒たちは研究により、競技のスキルが上達したと実感しているようです。

短距離走を研究:「実際にデータ化とか数値化するというのは、より繊細な分析ができるので、自分が進化したなという実感が得られる」

サッカーを研究:「右足で蹴るときは左足が軸になるので、その時の足首の柔軟さによってシュートの威力が変わることに気付いて、そこから右足の足首のストレッチを練習前と練習後にして柔らかくしてだんだん左足もよくなった」

特別授業は運動能力の向上だけに留まらず、生徒たちが新たな視点を学ぶきっかけになっているようです。

小林先生:「バイオメカニクスの授業でこういうことやったな、こういった見方ができるなみたいなところで、スポーツとスポーツ以外のもの、それが繋げられるところがあると思うので、今回の発表というのが生徒それぞれの経験になっていければなと思っています」

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