木原防衛相、自衛隊発言を撤回 補選で自民支持訴え「誤解生む」

長崎県佐世保市で記者団の取材に応じる木原防衛相=16日午後

 木原稔防衛相は16日、衆院長崎4区補欠選挙で自民党候補を応援することが自衛隊の苦労に報いることになるとして支持を訴えた発言について「誤解を生むのであれば撤回したい」と表明した。これに対し、立憲民主党の安住淳国対委員長は記者団に「発言は政治的中立を侵すものだ。罷免に値する」と非難し、20日召集の臨時国会で追及する方針を示した。

 岸田文雄首相は官邸で記者団に「本人が誤解を招くのであれば撤回したいと説明している。引き続き職務に当たってもらいたい」と述べ、更迭を否定した。

 木原氏は長崎県佐世保市で、記者団に発言の真意を問われ「自衛官とその家族への敬意と感謝を申し上げたが、誤解を受けたとすれば遺憾に思う。今後は気を付けたい」と釈明した。

 自衛隊は政治的に中立だとして、演説は防衛相の立場でなく政治家として行ったと強調した。

 松野博一官房長官も16日の記者会見で「あくまで一議員の政治活動の一環で述べたもの」と論評を避けた上で「自衛隊を含む政府機関が政治的に中立であるべきことは当然のことだ」と語った。

木原防衛相の発言に関する記者の質問を聞く岸田首相=16日午後、首相官邸

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