谷村新司さん死去 「アリス」堀内孝雄、矢沢透は悲痛な思い吐露「谷村は戻ってきませんでした!」

「冬の稲妻」「昴」などで知られるシンガーソングライターの谷村新司さんが8日に死去したことが、16日に公式サイトで発表された。74歳だった。谷村さんがリーダーを務めたフォークグループ「アリス」の堀内孝雄、矢沢透が盟友を悼んだ。

ボーカル、ギターの堀内孝雄(73)は、「チンペイさん 突然の別れに驚きを隠せません。来年のツアーに向けて回復に向かっていると伺っていただけに、とても残念です。僕にとってのチンペイさんは、50年来の親友であり、『アリス』のリーダーであり、そして良きライバルでした。学生時代、『プロにならないか? 一緒にアリスをやろう』と、誘ってくれたとき、心の底から嬉しかった。チンペイさんが、あの時誘ってくれなかったら、今の僕はありません。ずっと一緒に音楽活動ができたことが幸せでした」と感謝を記した。その上で「また、いつか空のほとりで一緒にライブをやろうね。もうちょっと待っていてね、キンちゃんと、もう少しだけ頑張るね。心から、ありがとう。安らかに。ご冥福をお祈り申し上げます」と天国の盟友に語りかけた。

ドラムの矢沢透(74)は「東京に住む僕と大阪に住む谷村と、何の因果か運命の出会いか堀内を紹介され3人アリスとして歩み始めました。時にはいがみ合い、時には抱き合い 幾多の苦難も喜びも共有し、無我夢中で駆け抜けた そして気が付けば51年という長きに渡って谷村と関わるとは… あの日からは想像もしませんでした」と回想した。

そして「若さの灰汁も抜け『これからは本当に音楽を楽しんでやっていこうね』と新しいアリスの始まりに胸躍らせていた矢先のことでした。谷村なら大丈夫、谷村ならきっと戻ってくる、根拠のない確信めいたものを感じておりました」と心境を吐露。「でも谷村は戻ってきませんでした!もういないんです。悲しいというより悔しいんです。谷村はもう僕たちのみんなの心の中にしか住む場所がないのです。思い出せば必ず胸にやってきます、どうか谷村を忘れないでください。今まで谷村をアリスを応援してくださってありがとうございました」と悲痛な胸の内を明かした。

谷村さんは大阪府出身。1968年にデビューし、71年には堀内孝雄とフォークオペラグループ「アリス」を結成。間もなく矢沢透が合流した。「チャンピオン」「ジョニーの子守唄」など多くのヒット曲を生み出した。谷村さんはバラエティ番組にも度々出演。清水アキラらモノマネ芸人からもネタにされ、お茶の間でもお馴染みだった。谷村さんは今年3月に腸炎での手術を行い療養を続けていたが急逝。葬儀は近親者のみで15日に執り行われた。所属事務所によると、後日、谷村さんを偲ぶ場を設けるという。

(よろず~ニュース編集部)

© 株式会社神戸新聞社