【続報】クマに襲われ男性死亡 わなにかかったクマが動きまわれた可能性 現場にはクマが食べたとみられる柿のへたも…【長野・飯山市】

飯山市の山林で14日、わなにかかったクマの近くで80歳の男性が死亡しているのが見つかりました。住民が「まさかクマがいるとは…」と話す場所で何が起きたのでしょうか。

クマによる被害が確認された飯山市旭の山林。付近には小学校もあり、人里も近い場所です。

■記者(14日)
「男性はこの辺りでクマに襲われたとみられます。周りの草木はなぎ倒されていて、木を見るとクマの爪跡のようなものも残っています」

14日、飯山市静間の男性(80)がわなにかかったクマの近くで倒れているのが見つかり、死亡が確認されました。頭にはクマの爪痕がありました。クマは体長130cmほどの雌の成獣で、猟友会によって駆除されたということです。

■記者(14日)
「道路から少し森の中に入ってきましたが、やぶが茂っていて、この先に何がいるのかというのが確認しづらい状況です。」

男性は13日、家族に「わなを見に行く」と告げたまま、戻りませんでした。クマの存在に気づかず、鉢合わせしてしまった、ということなのでしょうか。

■県クマ対策員・後藤光章さん
「クマが踏んだわなは、このふませっていうんですかね。ここにかけてあったわなを踏んだようです」

男性が仕掛けたイノシシ用のくくりわなにクマの後ろ足の片方がかかっていました。わなにはおよそ2mのワイヤーが付いていて、かかったあとも動き回ることができたようです。

■近所の住民
「(クマを)見たという話は聞くが、被害は全然聞いていない。今回初めてかな」

■近所の住民
「山の上のほうにはいるみたいね。ここにはクマがおりてきたのは聞かない。まさかクマがいるとは思わなかったね」

■記者(14日)
「専門家によりますと、クマが里に下りてきた原因の一つとして考えられるのがこちら、柿の木です」

柿の木と現場となった山林の間には雑草が踏まれた跡があり、クマが食べたとみられる柿のヘタも残されていました。

■県クマ対策員・後藤光章さん
「食べ物が足りないので補おうとしている行動だと思う。クマを誘引する木を減らしていくことが大きな状況の改善につながるはずなのに、それが進んでいかないということは、非常に心配しているところですね」

飯山市によりますと、伐採には所有者の同意が必要なほか、林業の事業者の人手不足もあって、整備が進んでいないということです。

■県クマ対策員・後藤光章さん
「事故が起こってしまったことは本当に残念です。クマ対策員として、この地域を担当するものとして本当に残念です」

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