練り製品製造販売の長谷井商店(岡山市北区二日市町)は、岡山県内の小学生と共同で弁当を開発した。かつて岡山でよく食べられた地魚をはじめ、海の幸をふんだんに使用。直営の総菜専門店「はせいのおそうざい 惣」(同内山下)で12月末までの期間限定で販売している。
「岡山前浜もん弁当」と名付け、イシモチの唐揚げ、クロダイ(チヌ)のカレーフライ、サワラのみそ漬けなどを詰め込んだ。イシモチは体が小さく下処理に手間がかかり、チヌは価格の低迷で水揚げが減り、ともに近年食卓に上る機会が減少。魅力を広く知ってもらおうと食材に活用した。魚は極力、瀬戸内海産を使う。1個1080円で、今月10日に発売した。
小学生は岡山や倉敷市などの5、6年生23人。一般社団法人「海と日本プロジェクトin岡山」(事務局・RSK山陽放送)が7月に開いたイベントに参加し、岡山市中央卸売市場の見学などを通じて漁業や海洋環境の現状を学んだ。弁当は学習の集大成として、イベントに協力していた長谷井商店の中島俊子社長らとともに考案した。
弁当の掛け紙には、子どもたちが描いた魚の絵や、イベントでの学習成果も掲載。瀬戸内海の環境を守るため「海のごみを拾う活動に参加する」「資源のリサイクルを心がける」などと記している。
中島社長は「弁当を通じて、岡山には誇れる魚食文化があることをいま一度見直してほしい」と話している。