猫だけに「猫背」…背中が丸いのはなぜ?意外と知らない4つの理由

人間より骨の数が多い

猫は、人間と比べると骨の数が多いと言われています。人間の体全体の骨が約200本あるのに対し、個体差はありますが猫は平均して約244本と、人間より約40本も多いんです。

腰椎や胸椎などの背骨も人より多く、背骨同士のつなぎ目が多いので、背中が丸い「猫背」になりやすいと考えられています。

さらに、背骨と背骨をつなぐ靭帯や、クッションの役割をしている椎間板の柔軟性が高いことも、猫の背中が丸い理由の1つと言われています。

俊敏な動きで獲物を捕らえるため

可愛らしい仕草や表情を見ているとついつい忘れてしまいがちですが、猫は肉食動物です。

獲物を捕まえるのに適した高い身体能力を持ち合わせているのですが、「猫背」は狩りをするのにも大きな役割を果たしています。

猫は獲物を捕らえるとき、足音を立てることなくじわじわと獲物と距離を詰めていきますよね。初めは相手に気付かれないように身を低くして様子を伺い、獲物を捕らえる瞬間は丸めた背中を一気に伸ばして獲物に飛び掛かります。

猫背の姿勢にすることでバネのような動きが可能になりますので、「猫背」は狩りをするのに重要な姿勢であることがわかりますよね。

衝撃を吸収するため

猫は「高い場所を好む」というイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。

実際に、猫は高い場所が大好きで、キャットタワーや背の高い家具の上、冷蔵庫の上などあらゆる高い場所を好みます。

姿が見えないので探し回っていたら、高い場所から慌てる飼い主を悠々と観察していたというシチュエーションは、猫と一緒に暮らす方にとってはあるあるかもしれません。

高いところから飛び降りるときに、背中を丸めて猫背にすることで衝撃を吸収する体の作りになっています。

キャットタワーや冷蔵庫などから飛び降りようとする猫を目の前にすると、見ているこちらがハラハラしてしまいますが、その程度の高さなら朝飯前のようです。

とはいえ、猫によってはジャンプが苦手な猫ももちろん存在します。

高い場所から降りようとして助けを求める様子が見られたら「猫背でジャンプしたら大丈夫!」と諭すことはせず、すぐに救出してあげてくださいね。

老化による猫背

人間は年齢を重ねると、老化によって背中が丸まることがありますが、猫も歳を取るともともと猫背の背中がさらに曲がることがあるんです。

若いころに俊敏に動き回って身体能力の高さを発揮していても、高齢になると筋力の低下や関節炎などが原因で、猫背に拍車がかかる場合もあります。

もちろん、猫によって個体差がありますので、すべての高齢猫の背中が必ず丸くなるとは限りません。

しかし、以前と何も変わらず元気に見える猫も確実に歳を取っていきます。

若いころと同じような恰好や動きが難しくなることも十分考えられますので、猫がのびのびと暮らすための工夫も必要になってくるかもしれませんね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、猫の背中が丸い理由について4つご紹介いたしました。

「猫背」という言葉があまりにも身近な言葉であることから、普段はそこまで深く考えることはないかもしれません。

しかし、猫にとって「猫背」とは、生きていくうえで必要な体の仕組みであって、あらゆる場面で役に立つ姿勢であることがお分かりいただけたかと思います。

猫の背中が丸い理由を理解した上で猫背姿の猫を見ると、これまでとはまた違った魅力を感じられるかもしれませんね。

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