「おかえり!カーネル」道頓堀に投げ込まれて38年 甲子園そばのKFCにパネル登場

設置された「おかえり!カーネル」の等身大パネルに手を置くファン=兵庫県西宮市、ケンタッキーフライドチキン阪神甲子園店

 プロ野球の阪神タイガースファンに川へ投げ込まれ、後に見つかったカーネル像の等身大パネルが16日、甲子園球場近くのケンタッキーフライドチキン(KFC)阪神甲子園店(兵庫県西宮市)に登場した。阪神が18日から甲子園で迎えるクライマックスシリーズ(CS)のファイナルステージに合わせた企画。「幸運の象徴」を一目見ようと、阪神ファンらが早速立ち寄り、記念撮影していた。

 カーネル像は阪神がリーグ優勝を決めた1985年10月、「バース選手に似ている」という理由でファンに胴上げされ、道頓堀川(大阪市)に投げ込まれた。続く日本シリーズでは初の日本一を決めたが、その後は低迷が続き、カーネルの「呪い」とも言われた。2009年に川底から発見され、「おかえり!カーネル」と命名された。補修を経てKFC阪神甲子園店で展示後、一般には非公開となった。

 今回、18年ぶりとなる阪神のリーグ優勝を機に、老朽化が進んで移動が困難な本体に代わってパネルを設置。「24年の歳月を経て奇跡の生還」と題した説明書きも添えた。

 今季、年間予約席を押さえ、甲子園の全試合を見届けたファン歴60年近くの男性(62)=兵庫県伊丹市=は、CSを前に一番乗りでパネルを撮影。ファン仲間と共有するといい「これで幸運をつかめるはず。絶対にやってもらわないと」と、38年ぶりの日本シリーズ制覇に期待した。

 約50年応援する西宮市の男性会社員(64)も「カーネルさんも帰ってきたので、また日本一を見たい」と語った。

 18日まで同店の前に展示し、19日以降は結果にかかわらず、日本シリーズ終了まで店内に展示する予定という。(井川朋宏)

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