菅野美穂が「ゆりあ先生の赤い糸」会見で鈴鹿央士や木戸大聖らに“人生がガラッと変わった”インド旅行を激推し!

テレビ朝日系で10月19日にスタートする連続ドラマ「ゆりあ先生の赤い糸」(木曜午後9:00。初回拡大スペシャル)の制作発表会見が行われ、主演の菅野美穂をはじめ、共演の鈴鹿央士、木戸大聖、宮澤エマ、白山乃愛、志田未来、吉瀬美智子、松岡茉優、田中哲司、三田佳子が登壇。都内スタジオに設営された“ゆりあの家のリビング”に集まり、波瀾(はらん)万丈な劇中の雰囲気とは一転、一家団らんさながらに和気あいあいとしたトークを繰り広げながら、作品の魅力をPRした。

今年の「第27回手塚治虫文化賞」で頂点となる「マンガ大賞」に輝いた入江喜和氏の作品を、映像化した「ゆりあ先生の赤い糸」。心優しい売れない小説家と結婚した主婦・伊沢ゆりあ(菅野)が、夫・伊沢吾良(田中哲司)がホテルで昏倒し、緊急搬送されたことをきっかけに、突然目の前に現れた夫の“彼氏”と名乗る青年・箭内离久(鈴鹿)や、夫の“彼女”小山田みちる(松岡)、“隠し子”小山田まに(白山)らと奇妙な同居生活をスタートさせることに。時にぶつかり、時に手を取り合い、みんなで意識不明状態となった夫の介護に勤しみながら、これまで想像もしなかった数奇な人生と、血のつながりを越えた“家族”の絆を編み上げていく新たなホームドラマだ。

会見開始5分前、舞台上に現れたのは吾良の隠し子・まにを演じる白山。取材陣を前に前説を担当することとなり、緊張しながらもしっかりとした口調で会見に関するお知らせ事項を伝える姿には、惜しみない拍手が送られた。

ドラマの主人公・ゆりあは、夫の介護や愛人との同居を乗り越えていく、新しい現代の主婦ヒロイン。演じる菅野も、連日ゆりあからパワーをもらっているようで「ゆりあは石のようにどっしり構えていて、どんなことにも揺るがない、『どうあるべきか』という生き方をしている女性。尊敬の気持ちで読ませていただいていました。お話の中盤からは、そんなゆりあさんが人間らしく、葛藤も抱えていくところがあり、そこもこの役の魅力だなと思っています」と語りながら、「私自身もどちらかというと女性らしさよりは、男っぽさでやっているところがあるなとは思うのですが、さすがに愛人の子どものお世話までは(笑)。旦那さんのオムツも替え、愛人の子どものオムツまで替えるというのは、よっぽどの人だな、見上げた女性だなと思いながら演じています」と、役の魅力を余すことなくアピール。

続けて、現場の雰囲気に関して「三田さんはじめ、皆さん気を使ってくださる方ばかりでほのぼのしています」と笑顔を見せるも、ここで菅野から「松岡さんがいらっしゃる日は、男性スタッフの喜びもにじみ出ていて、ジョークもいつもより多めな気がしています(笑)。劇中に登場するインコも普段はあまり鳴かないのに、ピーピー鳴くんですよ!」というほほ笑ましいエピソードが披露された。松岡は恐縮しながらも「確かにおやじギャグが多いな、とは思っておりました(笑)」と言えば、鈴鹿も「皆さん、歌を歌ったりしながら楽しく撮影しているなぁって思いながら、そばで見ています」とにっこり。松岡は終始照れ笑いを浮かべていた。

会見では、作品タイトルにもある「赤い糸」にかけ、キャスト陣に「運命的なつながりを感じた人」を巡ってフリップトークを展開。まず、菅野からは本作の原作者・入江氏の名前が挙げられた。実は15年前、原作にも出てくるバレエダンサーのシルヴィ・ギエムの公演を菅野も入江氏もそれぞれ見に行っていたのだそう。「15年経ってこんな形でご一緒させていただけるということに、運命を感じました。入江先生とお会いした時も、ひとしきりシルヴィ・ギエムの話で盛り上がって当時のお話をできたので、“赤い糸”でつながっていると感じました」と目を輝かせる。

そんな菅野を「運命的なつながりを感じた人」と挙げたのは、ゆりあの姉・泉川蘭を演じる吉瀬。実は、菅野とは共演が3作目、しかも今回は血のつながった姉妹役ということで「もう“赤い糸”ですよね! 3作も共演って、あまりないことなんです。菅野さんは本当に座長として素晴らしく、私の緊張も解いてくださって、とてもやりやすい環境をつくってくださいます。人柄も明るいですし、本当にホッとしています!」と話し、初の姉妹役でも菅野との掛け合いに期待が高まる。

自宅で夫の介護をすることになったゆりあと、ひょんなことから出会う伴優弥を演じる木戸は「マネジャーさん」、田中は「子ども」とそれぞれ書く一方、鈴鹿と松岡は互いに運命的なつながりを感じていたことが発覚。

2人は2019年に公開された映画「蜜蜂と遠雷」以来の共演ということもあり、「前回ご一緒したのは僕のデビュー作でもあったんです。それが10月4日公開だったんですけど、松岡さんとお会いするのはそれ以来で、しかもこの作品で初めて一緒のシーンを撮った日が10月4日。これはご縁ですね」と感慨深そうに明かす。

鈴鹿の言葉を受けた松岡も「宣伝期間を終えると、めっきり会わなくなってしまって、その後はお仕事先で会うこともなかったんです。今回4年ぶりに再会したのが10月4日だったのですが、それを教えてくれた鈴鹿さんと『それはすてきだね』とお話しました。今回久しぶりにご一緒したら、ちょっと陰のある稟久くんをミステリアスに演じてらいっしゃって。23歳になって、大人の男性を演じておられる鈴鹿さんと楽しくお芝居ができたらと思っています」と、こちらもうれしそうな様子だった。

さらに、劇中では、夫が意識不明の要介護状態になったのを機に、ゆりあの穏やかだった人生は急変し、とてつもない激動の波にのまれていくことから「突然、自分の人生がガラッと変わった事件や出来事」についてもトーク。

「旅とは自分にとってすごく必要なもの」という菅野の人生を変えたのは「インド旅行」。「世界中魅力的なところはいっぱいあると思うんですけど、やはりインドを旅行したのは強烈でした。頭をパカッと開けられて、脳みそをグシャグシャグシャと素手で触られたような衝撃を受けました。ちなみに、沢木耕太郎さんがおっしゃる“インド適齢期”は26歳ですので、松岡さんはそろそろ行ってもいい気がします!」と激推し、木戸、鈴鹿にも「このドラマが終わったらぜひインド旅行に行ってみてください!」と魅力を熱弁した。

「東宝シンデレラオーディション」と掲げたのは白山。「グランプリを取る前の日まではテレビを見る方だったのに、取った次の日には私が出る方になっていて、それを帰って来て見た時に、これは“運命の出来事”だなと思いました。オーディション前の1年より、今年の方が充実してるというか、すごく楽しいです。共演者の皆さんが優しくしてくれて、すごくうれしかったです」と激動の1年を振り返る。

そんな白山のエピソードを温かく見守っていた三田は、「孫を授かったこと」と回答。「70歳になった頃でしょうか、ロケ先で孫が産まれたと聞きまして、今までに経験したことのない喜びを感じました。今回のドラマでは、孫を持てていなかった節子が、まにちゃんとみのんちゃんに、論理を超えて孫になってほしいという気持ちを抱くのですが、実はそれと私が孫に出会った時の気持ちが似ているんです。今回の役に、その時の情愛を反映できればと思います」と作品への意気込みも垣間見えるエピソードが明かされた。

思わず笑顔になるようなほほ笑ましい回答が多数を占める中、鈴鹿は「昨年、人生初の心霊体験をした」と切り出した。「去年の5、6月くらいに、自宅でシャワーを浴びていたら、お風呂場の扉のすぐ外から女性の笑い声が聞こえてきたんです。それが人生初の心霊体験だったんですけど、霊感のある友達に話したら、『それ、生霊がついているよ』と言われて…」とカミングアウト。これには菅野や松岡からは悲鳴が上がる場面も。「僕には女性の声しか聞こえなかったんですけど、実は小さい男の子もついていたらしいんです」と続けると、「よく家の中で走る音が聞こえていたんですけど、それは男の子の霊が走っている音だったそうで…。ちゃんとおはらいをしてもらって聞こえなくなりましたが、大人になってから心霊体験をするようになると一生続くらしくて、僕のこれからの人生、心霊体験ができる体として生きていくことになっています」と爽やかに恐怖体験を話す鈴鹿に、菅野らも心配そうな表情を見せた。

そんな中、一転して「推しができたこと」というかわいらしい出来事について触れられた松岡は、「推しがいると日々のご飯がおいしくなり、明日への希望が持てる。推しがいるだけで、世界がきらめく。やはり推しがいるというのは、それこそ授かりものなので、たまたま出会えた時には、皆さんにも全力で推しを推していただきたいと思います」と力を込めた。さらに、その“推し”についても聞かれると「私は、11年にモーニング娘。に鞘師里保さんが加入された時からモーニング娘。のファンになりまして、そこからはハロー!プロジェクト全体のファンになりました。ぜひ皆さま、ハロー!プロジェクトをよろしくお願いいたします」と、推しへの愛を惜しみなく発揮する一幕も。

記者からの質問では、本作のキャッチフレーズ「みんなまとめて愛してやる。」にかけて、キャスト陣の愛してやまないものが聞かれた。木戸は「小さい頃からフィギュアを集めるのが大好きなんです。買うというより、大好きなクレーンゲームでフィギュアを取る、というのが趣味ですね」、吾良の主治医・前田有香を演じる志田は「サウナですね。いいリフレッシュになるので大好きです。ただ、体が乾燥するので、ちょっと控えるようにしています」と回答。吾良の妹・伊沢志生里を演じる宮澤エマは「働いて帰って来てからの1杯のお酒は、すごく愛してやまないです(笑)。働かなかった日に飲むお酒と、いい仕事をしたなと思いながら飲む1杯とでは、やはりおいしさも違う気がしていて。飲みながら、自分の好きな映像を見たり、音楽を聴いたりする時間が、愛してやまない時間ですね。ちなみに飲むお酒は、泡系でもワインでも、何でもござれです(笑)」ととても楽しそうな回答が続いた。

「運命的なつながりを感じた人」「突然、自分の人生がガラッと変わった事件や出来事」で「子ども」というコメントを貫いてきた田中はここでも「やっぱり『子ども』。あと、心霊系YouTubeですね」とコメント。その理由を尋ねられると、「子どもたちを寝かしつけた後、唯一の楽しみが心霊系YouTubeを見ることで。夜長1人でお酒を飲みながら見て、震えています」という意外な話に、会場は笑いに包まれた。

その後、ゆりあは幼い頃、父親の言葉に大きな影響を受けて生きてきた女性だが、「自身が今までに影響を受けたものは?」という質問に、菅野は「母から『健康と仕事と貯金のありがたみは失ってからでないと分からない』と言われ、『健康、仕事、貯金』はすごく大事だと思って生きています。『お金ある?』と聞かれても『ない』と答えなさい、と教えられたので、子どもにスーパーマーケットで『お菓子買って』と言われても『お金ない』と言うようにしています(笑)」と、母の威厳を感じさせるコメントも。

会見の最後には、あらためて菅野からの「本当に尊敬できる俳優の皆さんと毎日コツコツと丁寧に撮影しております。この令和の時代に、いびつだけどでも、どこかほっとするような温かいホームドラマです。皆さんに見ていただけるように頑張ります。よろしくお願いします」というメッセージで、会見を締めくくられた。

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