女性白バイ隊員・小俣あやめ巡査、神奈川県警初の日本一 全国白バイ安全運転競技大会

県警として初めて「全国白バイ安全運転競技大会」女性の個人総合で優勝した小俣巡査=横浜市南区の第1交通機動隊

 全国の白バイ隊員が運転技術を競う2023年「全国白バイ安全運転競技大会」で、神奈川県警第1交通機動隊の小俣あやめ巡査(26)が女性の個人総合の部で頂点に立った。「この4年間の訓練の成果を結果として出せた」。大けがを乗り越え積極果敢な走行技術に磨きをかけた小俣巡査は、見事な逆転劇で県勢初の快挙をつかみ取った。

 10月7~9日に茨城県ひたちなか市で開かれた大会には、全国から精鋭48人の女性が参加した。自身3度目、集大成の舞台として挑んだ小俣巡査は初日の「バランス走行」でミスを連発、21位と大きく出遅れた。「タイムを狙えば、1位を取れるんじゃないかと甘い気持ちが出てしまった」。情けなくて涙があふれた。

 1日挟んで迎えた最終日。体を傾けてS字などの曲線コースを走る「傾斜走行」で奮起した。朝からの大雨で路面コンディションは最悪だったが、「最後は楽しんだもん勝ち」。重さ約300キロの大型バイクを自在に操り、果敢に攻めた。

 1度もミスはなく、2分17秒220のタイムは2位に約4秒差をつけ、男子を含めた出場138人で最速を記録した。目標だった栄冠をたぐり寄せると、今度は歓喜の涙が頬を伝った。

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