決めた!CSファイナル「行ってきます」甲子園へ 新井監督 広島カープ-DeNA ファーストステージ2試合を振り返る【クライマックスシリーズ】

阪神への挑戦権をかけたクライマックスシリーズ(CS)・ファーストステージ。広島カープは、真っ赤に染まった本拠地マツダスタジアムでDeNAを相手に熱闘を繰り広げた。2試合を振り返る。

石田充 アナウンサー
歴史的にも記憶に残るような土曜日・日曜日のゲームでした。

RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
わたし、日曜日に解説していたんですけど、中身が濃すぎて、家に帰ってもずっと頭が痛かったです。

10月14日(土)ファーストステージ第1戦

石田充 アナウンサー
マツダスタジアムでは5年ぶりとなるクライマックスシリーズ。相手はわずか0.5ゲーム差で3位だったDeNAでした。末包昇大 選手がバッターボックスに入るときのポージングでグラウンドに現れた 新井貴浩 監督でした。

先発は、チームトップの11勝をマークした 床田寛樹 でした。

天谷宗一郎 さん
この日は、ストレートの走りはすごくよかったです。ストレートでしっかりと押しながら、引くところは引く。得意のツーシームでうまくかわしながら投げていたなというピッチングでした。

石田充 アナウンサー
ただ、序盤はランナーを背負うピッチングが続きました。

天谷宗一郎 さん
連打は浴びますけれども、非常に落ち着いてバッターの反応、そして状況を考えながら投げ切れたんじゃないかなと思います。要所で投げていたカーブも非常に緩急の意味でも目線をずらす意味でもうまく有効的に使えていたんじゃないかなと思います。

石田充 アナウンサー
DeNAに5回まで得点を与えません。

一方、相手DeNAは、ことし16勝というセ・リーグで一番、勝ち星を挙げていた東。3回に 坂倉将吾 が自身、CSで初ヒット。

そして、床田が「打ちたい」って言っていたんですが、ここは送りバントをしっかり3塁線の絶妙なコースに決めました。1アウト・3塁・2塁。

チャンスはつくるんですが、そこでギアが上がる東投手。

天谷宗一郎 さん
そうですね。さすが16勝だなというピッチングでした。

石田充 アナウンサー
野間峻祥 選手はタイムリー内野安打かと思われたんですが、ショートのルーキー・林も固い守備を見せます。競った展開、締まった展開で0対0が続きました。

迎えた6回、床田は、DeNA先頭の 広島出身、大田泰示 にフォアボール。1アウト後、セ・リーグ首位打者・宮﨑敏郎 へのこの1球。打球はレフトスタンドへ。ツーランホームランを浴びます。

天谷宗一郎 さん
決して悪いボールではないんですけれども、うまく反応されました。さすが首位打者の好打でした。

石田充 アナウンサー
先制点がカギになるといろんな人が言っていた中で先制点がDeNAに入りました。その後、ヒットを打たれ、イニング途中に 新井貴浩 監督は、ピッチャーを交代。2番手で 大道温貴 を送ります。

天谷宗一郎 さん
初めてのCSでこれだけ躍動できるかというようなピッチングを見せてくれました。

石田充 アナウンサー
1球目からストレートを投げ込んで、勝負球も本当にすばらしいストレート。まさに勢いを抑える。

天谷宗一郎 さん
相手の勢いを抑えて、そしてチームにまた新しい勢いをもたらしてくれました。

石田充 アナウンサー
0対2のまま、6回のウラへ。1アウト後、菊池涼介 が難しいボールになんとかバットを当てて、1塁へヘッドスライディング。

天谷宗一郎 さん
ヒヤッとしましたけど、この姿がやっぱりチーム、そして球場の雰囲気を変えてくれました。

石田充 アナウンサー
ことし、ヘッドスライディングで左手をけがしていたんですよね。その後、2番の野間が、いつも逆方向のイメージがあるんですが、1・2塁間を抜けるヒット。

天谷宗一郎 さん
インサイドの難しいボール、ある程度準備、待っていたんじゃないかなっていうぐらいの反応でしたよね。

石田充 アナウンサー
この日、4安打の固め打ちでした。そして、このチャンスで3番・西川龍馬 。犠牲フライでまずは1点を返します。

天谷宗一郎 さん
うまいですよね。しっかりとバットのヘッドを返さずに、まずは1点というところで一気に雰囲気変わりました。もう1点なら行けるぞっていうふうに選手はやっぱり勇気づけられる1点だと思うんですよね。

石田充 アナウンサー
ビハインドの展開で “勝利の方程式”・矢崎拓也 が、CS初登板。

天谷宗一郎 さん
盤石のリレーでした。

石田充 アナウンサー
1イニングを「0」で抑えると、8回は、最優秀中継ぎ・島内颯太郎 が、これもビハインドでマウンドに上がります。

天谷宗一郎 さん
最優秀中継ぎっていうのが、いい自信になっています。本当にバッターに向かっていっていました。

石田充 アナウンサー
そのウラです。先頭・デビッドソンが東からフォアボール。

天谷宗一郎 さん
この試合、2個目でした。

石田充 アナウンサー
そして、すぐさま代走・羽月隆太郎 を送ります。さらに代打・矢野雅哉 。

天谷宗一郎 さん
難しいボールですけど、本当に矢野選手の気持ちを感じたバントですね。

石田充 アナウンサー
1アウト・2塁とチャンスを作り、ここで1番にかえって菊池。その初球でした。

天谷宗一郎 さん
何度見ても鳥肌が立つんですけども、走った羽月隆太郎もすごいですけれども、このデータを渡したスコアラー、そしてこの指示を与えた首脳陣、全てが重なってできた盗塁です。

石田充 アナウンサー
その後、菊池涼介。スクイズで同点に追いつきます。

天谷宗一郎 さん
何としても1点取るぞというサインですけれども、この緊迫した場面で決めるのはさすがです。

石田充 アナウンサー
このイニングは、ノーヒットで同点(2-2)に追いつきました。

9回は、栗林良吏 が、マウンドへ。ただ不運なヒットもあって、1アウト・2塁というピンチを招きます。外野へのフライで1つアウトをとりますが、ランナーが3塁へ進みます。

ピンチが続きました。ここで勝負強い大和をサードゴロに打ち取りました。2対2のまま、ゲームは延長戦に突入します。

10回、6番手でマウンドに上がったのが、今シーズン、一度も中継ぎがなかった九里亜蓮 でした。

天谷宗一郎 さん
以前は中継ぎをしていたので、心配はなかったと思うんですけれども、やっぱり違った緊張感はあったと思います。1塁戦へのゴロを自ら捕って、ベースを踏みに行く姿に気迫を感じます。

石田充 アナウンサー
イニングをまたいだ11回、先頭の山本にツーベースヒットを打たれ、ノーアウト・2塁。大ピンチです。ここでDeNAは手堅く送りバントでランナーを3塁に進めます。続くバッターの蝦名をショートフライに打ち取ります。

天谷宗一郎 さん
これ、バッターを泳がせているんですけれども、その前にインサイドにしっかりと攻めているんです。だからこそ、奥行きがより効いてくる、すばらしい配球だったんじゃないかなと思います。九里投手も投げ切りました。

石田充 アナウンサー
そして、2アウト・3塁で7番手でターリーが、マウンドへ。左バッター・林を三振に仕留めてガッツポーズ。リリーフ陣は無失点でした。

直後の11回ウラ、CS、第7代4番という 堂林翔太 。

天谷宗一郎 さん
この日、ここまでノーヒットだったんです。くやしさをしっかりと抑えて冷静に打席に入れているんですよね。あの緩いカーブに対してうまく間を使って対応してきました。ナイスバッティング(2塁打)です。

石田充 アナウンサー
そして、代打は、田中広輔 だったんですが、送りバントに失敗し、3塁フォースアウト。続く、坂倉将吾の当たりはセカンドへ。牧がじゃっかんはじいている間に2アウト・3塁・1塁となります。

そして、この日はベンチスタートだったという 秋山翔吾 が打席へ。

天谷宗一郎 さん
ゾーンに入ってきたチェンジアップにうまく対応しています。

石田充 アナウンサー
センターへ舞い上がった打球は、その頭上を越えてサヨナラヒットになりました。

大事な初戦、まさに激闘、死闘を制して、秋山のバットでカープがサヨナラ勝ちを収めました。

広島 3X-2 DeNA(勝 ターリー、負 ウェンデルケン)

10月15日(日)ファーストステージ第2戦

石田充 アナウンサー
そして、勝てば2連勝で甲子園の切符を手にするという15日のゲーム。試合前ですが、山本浩二 さんの始球式でなんと打席に 鈴木誠也 が!

天谷宗一郎 さん
新井監督の初安打ということなんですが、ここでまた球場の雰囲気がガラッと変わりました。盛り上がりました。

石田充 アナウンサー
これが、ホームアドバンテージだったのかもしれません。

DeNAのマウンドは、今永でしたが、3番の 西川龍馬 が、この一発。

天谷宗一郎 さん
3ボール・2ストライクからインサイドへの難しいボールですけれども、しっかり対応して、なおかつスタンドインさせるわけですから、さすがのバッティングですね。

石田充 アナウンサー
カープがホームランで先制します。

援護をもらったのは、クライマックスシリーズ初登板、森下暢仁 でした。

天谷宗一郎 さん
立ち上がり、本人は不安だったと思うんですけれども、すばらしかったです。ストレートをしっかりと低めに集めて、要所の変化球ともうまく組み合わせながらのピッチングを見せてくれました。

石田充 アナウンサー
無失点を続けます。4回には1アウト・2塁・1塁というピンチ。迎えるバッターは、前日、先制ツーランホームランの 宮﨑敏郎 。ここは三振に仕留めますが、DeNAも足技を使って3塁・2塁。

天谷宗一郎 さん
思い切った作戦を使ってきました。

石田充 アナウンサー
ここで打席は森下キラーの1人・大和だったんですが、センターフライに打ち取り、スリーアウト。ピンチをしのぎました。

迎えた6回、ルーキー・林がもう少しでホームランという大きな当たり。二塁打となります。さらに送りバントという形で1アウト・3塁。この場面で新井監督は、スパッと森下を代えました。

2番手は誰かと思われた中で、またしても6回、イニング途中に 大道温貴 でした。

天谷宗一郎 さん
前日、抑えたところをいい形で自信につなげてくれました。

石田充 アナウンサー
前日、好調だった大田を内野フライ、さらに4番・牧もストレートで抑えて、またしても火消し役でした。

天谷宗一郎 さん
ストレート、本当に躍動した姿を見せてくれました。

石田充 アナウンサー
その直後の攻撃、打順がピッチャー・大道に回るところで代打が 末包昇大 だったんです。大きなホームラン。

天谷宗一郎 さん
さすがのパワーです。チェンジアップなんですけれども、もう、これはちょっと説明できないというか、見ていて、めちゃくちゃ興奮しましたね。

石田充 アナウンサー
そして、2点リードでマウンドは、リリーフ陣では唯一、CSを経験しているという 中﨑翔太 だったんですが、打ち取ったような当たりがセンターへのヒットになります。

天谷宗一郎 さん
このイニングは、DeNAの意地を見たという形でした。

石田充 アナウンサー
その後、送りバントを決められ、1アウト・3塁・2塁。マウンドを代わったターリーも打ち取ったような当たりがヒットになり、1点を返されます。

ソトの当たりも浅いセンターフライではあるんですが、向こうも積極的に走ってきました。犠牲フライ、タッチアップでホームに還り、2ー2とされます。

天谷宗一郎 さん
ただ、ここで逆転されなかったっていうところも大きかったんです。

石田充 アナウンサー
DeNAも強いと新井監督はずっと言ってきましたけれども、追いつかれます。

8回、一番の 菊池涼介 がレフト前ヒットでチャンスを作ります。ここで2番の 野間峻祥 は送りバントはできず、追い込まれたんですが、この当たりが内野安打に。

天谷宗一郎 さん
本人、ちょっとこの後、さえない顔をするんですけれども、もうここまで来たら内容ではなく結果ですからね。

石田充 アナウンサー
そして、3番・西川龍馬 がこの日、ホームランを売っているのに、チャンスで送りバントです。

天谷宗一郎 さん
そこでまた菊池選手のスピード、そしてスライディングの速さっていうところも西川選手を助けています。

石田充 アナウンサー
ノーアウト・満塁で4番は途中出場の 矢野雅哉 が入っていたところで、代打・田中広輔 が打席へ。初球でした。

天谷宗一郎 さん
この思い切り。ガッツポーズ、気持ちいいですね。カープが再び勝ち越します。

石田充 アナウンサー
さらに1アウト・満塁という状況で前日のヒーロー・秋山翔吾 。

天谷宗一郎 さん
短期決戦をたくさん経験しているからこそのバッティングなんです。1点の重み、ここで1点を取ることの大切さをわかっているからこその犠牲フライを打ちにいったバッティングをしているんです。ここはやっぱりさすがだなと。

石田充 アナウンサー
2点リードで最後を締めくくったのが、栗林良吏 です。カープが2連勝でファイナルステージ進出を決めました。

広島 4‐2 DeNA 勝 島内颯太郎 S 栗林良吏 負 上茶谷大河

広島カープ 新井貴浩 監督
「まず、わたしのあいさつの前に選手を代表して、きょうもナイスピッチングでした、最優秀中継ぎ投手・島内よりみなさまに一言、お礼申し上げます」

広島カープ 島内颯太郎 投手
「本日は応援、ありがとうございました。しっかりと甲子園でも勝って、マツダスタジアムに帰ってきます!」

広島カープ 新井貴浩 監督
「島内さん、ありがとうございました。本当によくがんばってくれた選手のおかげだと思っています。甲子園では、ことしのスローガンでもあります『がむしゃら』に、そしてカープの全員野球で高校球児のように戦っていきたいと思います。がんばってきます。行ってきます」

石田充 アナウンサー
カープは、しびれる3位・DeNAとの戦いを2連勝で制して、18日(水曜)から始まりますファイナルステージ進出ということになりました。すでに1位の阪神には1勝のアドバンテージがありますので、阪神は3つ勝てば日本シリーズ、カープは4つ勝てば日本シリーズいうことになります。

© 株式会社中国放送