余第一位が先勝 佐田七段下す 関西棋院第一位決定戦3番勝負

第1局を制し、佐田七段と熱戦を振り返る余第一位(右)

 囲碁の山陽新聞杯第67期関西棋院第一位決定戦(山陽新聞社主催)の3番勝負が16日、大阪市の同棋院で開幕した。第1局は7連覇を目指す余正麒第一位(28)が、挑戦者の佐田篤史七段(27)=岡山市出身=に228手で白番中押し勝ちした。

 共に国内主要棋戦のリーグや本戦で活躍する関西棋院のトップ棋士。3番勝負での顔合わせは、2021年の第65期以来2年ぶりで、前回は余一位が連勝した。余一位は自身が持つ最多連覇記録の更新を狙い、佐田七段は初のタイトル獲得を目指す。この日の対局前までの対戦成績は、余第一位から見て8勝5敗。

 第1局は序盤に余第一位が下辺に模様を広げてやや優位に立った。佐田七段も追い上げを見せ、中終盤は形勢不明の混戦となるが、最後に余第一位が右上の攻防を制して勝負を決めた。持ち時間は各3時間で、残りは共に1分だった。

 余第一位は「序盤から終盤まで難しい局面が続き、特に右上の死活が読み切れず最後まで苦しんだ。第2局も平常心で臨みたい」。佐田七段は「前半で打ちにくい形にしてしまい、反省点が多い。次の一局に集中し全力を尽くすだけ。切り替えていく」と話した。

 第2局は11月6日、同棋院で打たれる。

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