【ワシントン共同】米ワシントンの連邦地裁のチュトカン判事は16日、2021年の議会襲撃事件を巡り起訴されたトランプ前大統領に対し、捜査を担当する検察官や地裁関係者を公に中傷する発言を禁じる命令を出した。
24年大統領選で返り咲きを図る共和党のトランプ氏は自身のソーシャルメディアで政治的な捜査だと主張し、不当な扱いを受けているとの印象を与えて共和党支持者を引きつけている。禁止命令が選挙戦に影響を及ぼす可能性もありそうだ。
トランプ氏の報道担当者は声明で、再選を目指す民主党のバイデン大統領が政敵であるトランプ氏の口を封じる権利を地裁に与えたとして「非道な行為だ」と批判した。
米主要メディアによると、チュトカン判事はトランプ氏を含む被告人に対し、検察官や地裁関係者に対する「中傷キャンペーン」を禁止すると命じた。トランプ氏は捜査を担当するスミス特別検察官らを「発狂している」などとののしっており、これを問題視した。
一方で司法省に対する批判や、捜査が政治的な動機に基づいているとするトランプ氏自身の信念を語ることは制限しないとした。
