中辺路のあぶりアユ作り 熊野古道、秋の味覚

炭火の上でアユをあぶる木田豪さん=11日、和歌山県田辺市

 世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の熊野古道・中辺路で、昔ながらの保存食、あぶりアユ作りが進んでいる。和歌山県田辺市で土産物店と民宿を営む木田豪さん(53)が手がけ、地元で秋の味覚として親しまれている。

 近くを流れる富田川で夏に釣り、冷凍保存したアユを順次解凍。炭火の上で水分がしっかり抜けるまで2日間じっくりとあぶる。あぶり終えたアユは、縄で5匹ずつくくられ、10月末ごろまで4千円で販売される。

 木田さんは、炭火の上で黄金色に焦げ目が付いていくアユを返しながら「手間はかかるけど伝統食を絶やすわけにはいかない」と決意を新たにしていた。

© 一般社団法人共同通信社