ロシア情報工作強化を警戒 ウクライナ安保高官

 【キーウ共同】ウクライナのダニロフ国家安全保障・国防会議書記は16日、国内でロシア情報機関が新たなネットワークを構築し、偽情報を流すなどしてウクライナを不安定化させようとしているとの見方を示した。X(旧ツイッター)に投稿した。戦闘終結が見通せない中、ゼレンスキー政権は情報工作で世論が分断され、政権の求心力が弱まることを警戒しているとみられる。

 ダニロフ氏によると、ロシア連邦保安局(FSB)が協力者と共に「(ウクライナが進めている)反転攻勢は失敗している」、「ウクライナ軍と政権の間に、あつれきが生じている」といった情報を流布して、ロシアに有利な環境をつくり出そうとしているという。

 ダニロフ氏は、ウクライナ当局がロシアによる敵対行為を厳重に監視しているとする一方、国民に対して偽情報に惑わされないよう呼びかけた。

 ウクライナメディアによると、ゼレンスキー大統領は16日、首都キーウ(キエフ)で、米政府でウクライナの経済復興を担当するプリツカー特別代表と会談し、凍結されたロシア資産を復興に活用する案などを協議した。

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