若者の投票率アップを目指し選挙のPRにアイドル起用…ターゲティングは本当に合っているのか?

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜6:59~)。10月5日(木)放送の「FLAG NEWS」のコーナーでは、東京・八王子市のご当地アイドルが選挙のイメージキャラクターに再就任した件に着目しました。

◆選挙のイメージキャラクターにアイドルが再就任

2024年1月に行われる八王子市長選挙のイメージキャラクターに、市のご当地アイドル「8princess」が就任。8princessは今年4月の八王子市議会議員選挙でもイメージキャラクターをつとめていましたが、彼女たちを起用した選挙啓発ポスターが「男女共同参画の推進に逆行する」として、元市議会議員らの女性4人が撤去を求めていました。

8princessを再びイメージキャラクターに採用した理由について、八王子市選挙管理委員会の音村事務局長は「特に20代~30代の投票率アップが懸案事項になっていた。前回の4月の統一地方選挙の市議選では、まさにそこの投票率がアップした。その実績を見込んで、さらにもう1~2ランクアップしたい」と説明。今後は彼女たちを起用した音楽イベントやSNSの発信を行い、選挙の認知度向上を図るとしています。

◆選挙PRへのアイドル起用に、それぞれの見解は…

キャスターの堀潤は、選挙の担当者が自身の言葉で再就任の理由を説明したことに対しては高く評価し、「こうした形がもっと広がれば」と切望。一方、キャスターの田中陽南からは、8princessが再就任したことに異存はないものの「10代・20代の選挙の認知度アップのための施策がアイドルを起用することで良いのか。もう少し他の方法はないのかなと思ってしまう」との率直な意見が。

食文化研究家の長内あや愛さんは「このアイドルが八王子市でどれほどの市民権を得ているのか分からないところだが、本当に彼女たちのおかげで投票率がアップしたのか、しっかりと明示してほしい」と望みます。

経済アナリストの池田健三郎さんは、2024年に行われる港区、目黒区、足立区の区長選挙に向け、先日、公益社団法人東京青年会議所で投票率アップの施策を話し合ったばかりだと言い、池田さんが若者へのアプローチで重要視すべきと考えているのは"18歳で初めて選挙に行く若者たち”。

池田さんは「18歳の人生初の選挙で"行かなくていいや”となると、たぶんその後、選挙に行かない大人になってしまう」と危惧し、「(選挙の)ファーストチャンスで必ず権利を行使するということをいかにやるか。(打ち合わせでは)18歳の啓蒙に特化してもいいんじゃないかという話もあった」と明かします。

フリーアナウンサーの荘口彰久さんは、そもそも若者への周知の軸をアイドルでいいのかと疑問視。なぜなら荘口さんいわく、今のアイドルのボリュームゾーンは30代~40代だから。10代、20代にリーチするために、果たしてアイドルの起用でいいのか、ターゲティングが本当に合っているのか訝しんでいました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

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