「まだ5%しか謎が見つかっていないというのが魅力的」みかんゼリーの“宇宙食” ただいま開発中!中学1年生の夢

宇宙飛行士が任務中に食べる「宇宙食」。この特別な食事を静岡県内産の食材で開発しようとする女子中学生がいます。「宇宙食で生まれ育った静岡県に貢献したい」。彼女の目標は、技術革新の指針となるかもしれません。

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静岡市清水区に住む中学1年生の増田結桜さん。部屋を見せてもらうと・・・。

<増田結桜さん>
「ここがわたしの自慢の宇宙部屋です」

部屋の隅々にまで飾られている大量の宇宙グッズ。結桜さんは、とにかく宇宙が大好きなんです。小学4年生の時に宇宙に興味を持ち、どんどん宇宙の魅力に引き込まれていきました。

<増田結桜さん>
「宇宙がまだ5%しか謎が見つかっていないというのが魅力的に感じて、それからずっといままで宇宙が好き」

そして、大好きな宇宙について調べる中で、人生を変える「夢」と出会いました。

<増田結桜さん>
「本を読んでいたら、JAXAで宇宙食の仕事をしている女性がインタビューに答えていて、それを見た時に『この人カッコいいな』と思って、わたしもこういう職業に就いてみたいと思って」

さっそく、宇宙食の開発に取り掛かった結桜さん。作るのは、みかんゼリーです。これまで試作した数は300食以上。静岡県産のみかんジュースに加えるのは・・・。

<増田結桜さん>
「みかんの皮を一晩水につけて砕いたものを入れます」

みかんの皮は、食材を無駄なく使うだけでなく、宇宙でもみかんのフレッシュさを感じてほしいとこだわりです。これに甘みをつけ、液体を固めるための凝固剤を入れ、火にかけます。

<増田結桜さん>
「静岡県も大好きだし、みかんも大好きなので、そこは静岡県のみかんや食材にこだわって宇宙食を作っていきたい」

結桜さんが作った宇宙食のみかんゼリーには、皮も入ってます。

<坂口将也記者>
「皮が入っているので、みかんの風味がすごい広がってとてもおいしいです。これ宇宙で食べられたらリフレッシュできそうですね」

しかし、宇宙食開発にあたり、資金面や生産体制などの課題は山積みで、個人で活動するには限界がありました。

結桜さんは自ら企業などにプレゼンを行い、結桜さんの想いに賛同した有志の大学生と社会人で「チームゆら」を結成しました。静岡焼津市の企業に勤務する小山さんもその1人です。

<イシダテック総務部 小山和希さん>
「(結桜さんが)当時小学校5年生の春休みにこの資料を持って弊社に訪れました。心は動かざるを得なかったですよね。ぼくらにとっては、ただただ夢を実現してほしいというその気持ちだけで動いている」

さらに、支援の輪を広げるチャンスが舞い込みました。10月7日に開催された静岡市が企画する若者のSDGsに関する取り組みを発表するイベントの登壇者に、結桜さんが選ばれました。

<増田結桜さん>
「わたしたちのみかんゼリーは、SDGsでは2つの項目にあてはまります。1つ目はSDGs⑨の産業と技術革新の基盤を作ろう。2つ目はSDGs⑫の作る責任・使う責任です。未来の食材開発と現代課題の解決に貢献しています」

<静岡市 難波喬司市長>
「率直な感想は『感動』しかないですね。そして、ひとりでやっているのではなくて、仲間でやっているというのが、チームでやっているというのがすばらしい」

<増田結桜さん>
「近い夢としては、JAXAの宇宙日本食認証で、将来の夢はJAXAに入社して宇宙食を作った側の人間として宇宙食を評価していきたいです」

開発を続けていくにあたり、やはり一番の課題は資金面です。開発費用を工面するため、「チームゆら」は、2023年7月からクラウドファンディングを立ち上げました。目標は500万円で、現在は40万円ほどの支援が集まっているということです。

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