「気持ち一つ」練習に熱 茨城・日立の女声合唱団「若竹会」 22日、70周年記念演奏会

演奏会に向け練習に励む団員たち=日立市幸町

茨城県日立市の女声合唱団「若竹会」が22日、創立70周年記念演奏会を同市幸町のシビックセンター音楽ホールで開催する。これまで同合唱団が歌ってきた300を超える楽曲の中からえりすぐりの18曲を披露する。平均年齢が75歳を超す団員たちは「歌うのが楽しい」と口をそろえ、迫る本番へ向け練習に熱が入る。

同合唱団は1953年に日立製作所社員の妻らが立ち上げた。創設時は趣味程度だったが、68年に高校の音楽教諭だった武田京子さん(84)が指揮・指導を担当すると方向性が変わった。武田さんは「コンクールに出よう」と声をかけ、団員も二つ返事で快諾。翌年、県合唱コンクールで優勝を果たし、以降数々の大会で優秀賞を受賞してきた。

だが、次第に団員の平均年齢は上がり、最盛期に58人いた団員は現在は25人にまで減少。武田さんは「声量や声のつやで若い合唱団に勝てない」と話す。ただ、活動歴60年を誇る最古参の渡辺統子さん(93)は「声は出づらくなってきたが、みんなと歌えるのが一番楽しい」と活動意義を強調する。

同合唱団は毎週水曜日に同市千石町の大久保交流センターで2時間の練習に励んでいるが、11日は本番を控え同ホールで実施。武田さんは音程の微調整や強弱の付け方などを指導した。懐かしさや団員の思い入れのある曲を選んだといい、日本の愛唱歌「毬(まり)と殿様」などを合唱し、同ホールに美しい歌声を響き渡らせた。

堺正子代表(84)は「演奏会に向け精いっぱい頑張っている。気持ちを一つにして練習の成果を発揮したい」と意気込んだ。

また、姉妹合唱団「日立女声合唱団」の創立20周年演奏会も同時開催され、10曲が披露される。午後1時半開演で、入場無料。

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