トラック荷物をその場で鉄道コンテナへ 東青森駅に青森県内初「積替ステーション」

積替ステーションで、一般トラックの荷台から鉄道用コンテナに荷物を積み替える運送業者=13日

 JR貨物東北支社(仙台市)が青森市の東青森駅構内に、トラックで持ち込んだ荷物を鉄道用コンテナに積み替えるための施設「積替(つみかえ)ステーション」を開設した。運送業者が自社の施設でコンテナに荷物を積み込み、専用のトラックで同駅に運ぶ従来の方法に比べ、鉄道輸送を利用しやすくなる。トラック運転手の労働時間短縮で輸送能力の縮小が懸念される物流の「2024年問題」を見据え、首都圏などへの長距離輸送の手段をトラックから鉄道に切り替える環境を整備する狙いだ。

 同支社によると、積替ステーションの開設は全国7カ所目で、県内では初。駅構内の既存スペースを活用し、今月2日に運用を開始した。

 これまで運送業者は東青森駅にコンテナを取りに来てから、自社の施設で荷物を積み込み、再度駅まで運ぶ必要があった。コンテナを荷台部分に固定する装置が付いた専用トラックも数が限られているなど、業者側には鉄道輸送を利用しづらい面があったという。

 今後はコンテナを取りに来る手間を省ける上、装置のない一般のトラックでも荷物を持ち込むことが可能となる。

 13日は、同駅の積替ステーションを訪れた運送業者が、引っ越しの荷物を一般トラックの荷台からコンテナに移していた。

 現在は引っ越しの荷物を運ぶのに主に利用されているが、同支社は農産物や工業製品などの輸送でも施設を活用するようPRしていく方針。桑折和歩・北東北支店青森営業所長は「2024年問題が差し迫る中、積替ステーションを通して運送事業者に協力していきたい」と語った。

 施設の利用時間は午前7時半~午後6時で、使用料金が必要。東青森駅に到着したコンテナの荷物をトラックの荷台に積み替える際にも利用できる。屋根があるため雨天時も利用可能で、積み替えに使うフォークリフトも配備している。

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