対馬市政倫審を非公開に 核ごみ問題、市議の視察費用巡り 個人情報保護など理由

 一部の対馬市議が原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定調査を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)の費用負担で視察旅行をしたのは市政治倫理条例違反に当たるとして市民が調査請求した問題で、市政治倫理審査会は16日、初会合を開き、調査対象者の個人情報保護などを理由に審査を原則非公開とすることを決めた。
 調査請求者は市民団体「核のごみと対馬を考える会」代表の上原正行氏。調査請求書では、文献調査の促進請願に賛成した市議10人による視察は条例が禁止する「企業団体などからの寄付および金品の授受に当たる」と主張している。
 上原氏によると、この日の初会合では視察旅行の行程表などの資料を審査会側に提出。対象議員に出席などを求めることや、NUMO側に書面を通して質問する審査の方向性が示された。調査対象となった市議の一人はこれまでの取材に「弁護士に相談して問題ないという認識だ」と説明している。

© 株式会社長崎新聞社