ロマン・グロージャンもSC63で初走行。ランボルギーニ、スペインでの3日間のテストを完了

 ランボルギーニは10月の第2週目にスペイン、アルメリアで3日間のLMDhテストを実施。その中には元F1ドライバーであるロマン・グロージャンのSC63での最初の周回も含まれていた。

 イタリアのスーパーカーブランドが2024年のWEC世界耐久選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に投入するリジェベースのプロトタイプ『ランボルギーニSC63』は、ファクトリードライバーのグロージャンとアンドレア・カルダレッリが交代で運転し、スペインのサーキットで約2000kmを走破した。

 テストは1台のランボルギーニSC63で行われた。このシャシーは、南仏ポール・リカールのシグネス・コーナーで起きたクラッシュによって損傷したオリジナルのテストカーと置き換えるために、約1カ月前にシェイクダウンされたものだ。

 Sportscar365は、この代替シャーシがアルメリアでのテストセッションの前に、北イタリアのチェルベジーナで2日間のテストを完了したことを理解している。

 ランボルギーニによると、最新の3日間のテストは、長時間の走行による「信頼性と手順のテスト」に重点を置いたものだったという。来シーズン、WECハイパーカーとIMSA GTPのコンペティションでSC63を走らせるランボルギーニ・アイアン・リンクス・チームは、フルコース・イエロー・ピリオドやリスタートといったレース手順のシミュレーションも行った。

 元F1ドライバーのグロージャンは、テストの初日の午後から共通ハイブリッドシステムを搭載したプロトタイプカーをドライブを開始し、カルダレッリと「均等に」走行距離を分担した。

テストでランボルギーニSC63のステアリングを握ったロマン・グロージャン

「とても濃密な3日間だったが、チームとマシンを初めてサーキットで走らせることができ非常にうれしい」と語ったグロージャン。

「クルマは最初のラップからとても良いことがわかったし、次のテストでさらに多くの距離を走るのが待ちきれない。チーム全員とアルメリアにいることができ、すべての人々と舞台裏で行われてきた仕事を発見できてハッピーだよ」

「だから、ここにいることにとても興奮している。クルマのフィーリングは最初からすごく良かったけど、明らかに僕たちにはまだ旅が残っている」

「でも、僕がここに来る前に行われた作業はとても良いものだったし、クルマについてもっと学ぶのが楽しみだ」

 ランボルギーニは今週もヘレスでテストプログラムを続ける予定で、ホモロゲーションとミシュラン・エンデュランス・カップのパーシャルシーズンプログラムの準備のために、まもなくアメリカにマシンを輸送する予定だ。

 既報のとおり、ランボルギーニSC63は3月2日に開催されるWEC開幕戦『カタール1812km』でレースデビューする予定となっている。

 世界選手権と北米シリーズの両方でランボルギーニのLMDhプログラムを運営するアイアン・リンクスのボス、アンドレア・ピッチーニは今回のテストに満足していると述べた。

「アルメリアでのテストは非常に順調で、とくに一貫した改善が見られたことに満足している」と同氏。

「また、今年の初めにGTデイトナで活躍したロマン(・グロージャン)をLMDhのプログラムに迎えることができたのもう喜ばしいことだ」

「私たちはアメリカでの活動をスタートさせるための非常に重要なテスト期間に向けて準備を進めている」

『ランボルギーニSC63』は来季2024年のWECとIMSAミシュラン・エデンュランス・カップに投入される
スペインのアルメリア・サーキットでテストを行うランボルギーニSC63

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