指定されたユニフォーム一式を着用してプレーするサッカー選手たち。GKを除くフィールドプレーヤー10人は基本的に同じ出で立ちで試合に臨む。
ただ、制服を着崩す学生がそうであるようにちょっとした個性を発揮したくなるのが人間の心理というものだろう。
シャツをパンツから頑なに出さない選手、襟付きのユニフォームであれば襟を立てる選手、また大事な足を守るソックスにもさり気ないこだわりを持ってプレーする選手たちがいる。
今回はそんな「ソックス」の着こなしに焦点をあててみる。
ハイソックス型
まずは膝上までソックスをあげる「ハイソックス型」の選手をみてみよう。
ネイマール(アル・ヒラル/ブラジル代表)
キリアン・エムバペ(PSG/フランス代表)
三笘薫(ブライトン/日本代表)
一般社会におけるハイソックスといえば女子高生が認知されているが、サッカー選手の中にもこのスタイルを好んでいる選手たちがいる。
理由としては、膝の保護やファッション性(足が長くみえる)が挙げられるだろうか。
現在も毎週末プレーするコリー編集部Oによれば、「膝への圧迫感」がスパッツ的な感覚で逆に安心感があるという。
またネイマール、エムバペ、三笘と全員「左サイドが得意」「突破力がある」という共通点を持っているが、ハイソックスは単純に元フランス代表ティエリ・アンリの影響だとも。
アーセナル史上最高の選手でもあるアンリ。このハイソックスのスタイルは彼が元祖とも言われている。
実際にアンリが元祖であるとの確証はないが、かつてのソックスは現在ほど軽量化されていなかったため、このスタイルでプレーするのは物理的に難しかったといえるだろう。
ソックスずり下げ型
続いてはソックスを足首まで下げる「ずり下げ型」。
ペドリ(バルセロナ/スペイン代表)
ジャック・グリーリッシュ(マンチェスター・シティ/イングランド代表)
中村敬斗(スタッド・ランス/日本代表)
すね当て(レガース)も小型のものを使うずり下げ型。先日行われたカナダ戦では中村敬斗がこのスタイルでプレーした。
中村はゴールを記録した一方で相手のタックルを受けて負傷。このスタイルが危険ではないかとの声も出ているが、報道によれば彼はふくらはぎがつりやすく、それを軽減するために下げているのだという。
なお、日本での「ずり下げ型」といえば、17日に行われるチュニジア戦のテレビ中継(フジテレビ系列)で解説を担当するこの人もお馴染みだ。
天才・松井大輔!
フランスでも活躍した松井は日本屈指のテクニシャンとして知られたが、世界を見渡してもこの「ずり下げ型」はテクニックのある選手が多い。
ローマの王子ことフランチェスコ・トッティも晩年はこのスタイルを好んでおり、誇張していえば「天才にだけ許されたスタイル」といえよう。
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今回名前を挙げた選手を改めてみると、ハイソックス・ずり下げ型にかかわらずペドリを除く全ての選手が「左サイドを得意とする選手」であった。これは偶然なのだろうか?