夏場を過ぎてプール熱の感染者数が増加 宮城県が警報を発令

子どもを中心に感染する夏風邪の一種、プール熱が増えていることから、宮城県は6年ぶりに警報を出し注意を呼び掛けています。アルコール消毒が効きにくいウイルスが、10月になっても感染拡大する原因と対策を調べました。

東北医科薬科大学藤村茂教授「本来はプール熱という名前があるくらいなので、夏場に大体6月から9月くらいまでの間で流行を起こしますが、ここにきて9月10月に東京を中心に東日本でもかなり増えてきている」

プール熱と呼ばれる咽頭結膜熱は、アデノウイルスを原因とする感染症で主な症状は発熱やのどの腫れ、結膜炎などです。

せきやくしゃみなどの飛沫で感染する他、ウイルスが付着したタオルでの接触を介しても感染します。

宮城県では12日、1医療機関当たりの感染者数が大崎保健所管内で警報基準の3人を上回り、6年ぶりとなる警報が宮城県全域に出されました。

東北医科薬科大学藤村茂教授「おそらくコロナで3年間徹底的に感染対策をやってきた、その反動が来ているのかなと思う。特にプール熱は一番多いのが5歳未満のお子さんたち。その年代の方つまり3年前というと生まれて間もないということになるので、全くプール熱のウイルスには抗体が無いんだと思います。ですから皆さん簡単に感染してしまうということ」

プール熱の発症期間は10日から2週間と長い上に、ウイルスに有効な薬がありません。しかも、厄介なのがアルコール消毒が効きにくいということです。

東北医科薬科大学藤村茂教授「消毒用アルコールを使っていれば大丈夫と思い込んでいると、実はこういったウイルスにやられてしまうということは十分に考えられます。きっちり手洗いをして、できればタオルはお子さんが感染してるということであれば、親御さんとかご兄弟とは別のタオルを使うとかそういったことは大事になります」

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