多摩川のアユ遡上ピークに 昨年435万匹を上回る

 多摩川の天然アユの遡上(そじょう)がピークを迎え、宿河原堰(せき)(神奈川県川崎市多摩区宿河原)の魚道を越える稚アユの群れや、水面を跳ねる姿が観察できる。

 ガス橋(中原区)上流約500メートルに定置網を設置した東京都島しょ農林水産総合センターの遡上調査によると、19日に今シーズン最多の3万4910匹を観測。先週1週間で9万8258匹を観測し、「今年は既に、昨年の推定遡上数435万匹を上回っている」と同センター。2012年の1194万匹をピークに減少が続いていた。

 稚アユは全長4〜6センチ。堰近くの浅瀬ではサギやカワウが狙う姿も見られる。川崎河川漁業協同組合の関係者は「ことしの遡上は遅く、4月はほとんど見られなかった」といい、5月に入っての急増にほっとした様子だった。アユ釣り解禁は6月1日。

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