「ケンガンアシュラ」浪川大輔 インタビュー

「体を鍛えておいて、20年前と変わらない声が出せるようにしておくことが大事だと感じます」

2019年にNetflixで世界独占配信され話題を集め、いよいよ待望のSeason2の配信が始まった「ケンガンアシュラ」。人気格闘技漫画を原作に、実際の格闘家や経験者をモーションアクターに起用するなど、リアルを追求したアニメーション制作も話題の本作。主人公の十鬼蛇王馬(鈴木達央)に執着し、執拗(しつよう)に追い求める桐生刹那の声を浪川大輔が担当。自身も“格闘技好き”だと話す浪川は、「ケンガンアシュラ」のどんなところに魅力を感じているのか。また、声と肉体の関係などについても語ってくれた。

――「ケンガンアシュラ」の桐生刹那役は、音響監督から「人間の声はいらない」と言われ、脊髄反射で出るような声を優先するなど、今までの声優人生で初めての試みが多かったそうですね。これまでの経験でいろいろな声の引き出しがある浪川さんであるからこそできたことかと思います。

「もちろん体に染みついているものもあったと思いますが、桐生というキャラクターかつ、そういう指示があったからできた、というところがあったかもしれません。とにかく、全く何も考えず反射的にやっていたため、思い出すにも思い出せないというのが正直なところですが、しんどかったということだけははっきり覚えています(笑)。後で、自分が演じたシーンを拝見させていただいた時、“ここでこういう声を出していたのか!”と驚きました。それをもってNGを出すか否かは監督の判断で、やり直したところもたくさんありますし、信頼を寄せてお任せしました。こういう話を聞いてから改めて見ていただくと、対戦シーンもまた違った見方ができて楽しんでいただけるのではないでしょうか」

――桐生たちが“武”を極めるのと同様、浪川さんにとっての“武”とも言える声を極めるために行っている、努力や研鑽はどんなものですか?

「強い声を出すためにさまざまなことをやってきて、結局どれも体を傷つけるだけのことでした。一般的に、カラオケに行って声が枯れることがありますが、枯れてからでは何かをしても間に合いません。枯れる前に、枯れないようにする予防が大切で、風邪もひく前の予防が大切なのと同じです。また、年齢と共に回復が遅くなることや、免疫力が落ちているなど、さまざまな衰えを感じるため、現状維持をすることも大変です。たまに20年前のセリフを読んだりしますが、難しく感じることがあります。そういう意味では、体を鍛えておいて、20年前と変わらない声を出せるようにしておくことが大事だと感じます」

――結局、喉も体の一部ですしね。

「はい。体が疲れていると、喉の調子は悪くなくても声がかすれます。喉だけを守っても意味がなく、とにかく休めることが大切なため、マネジャーさんにスケジュールを調整してもらうなど人の手を借りる必要が出てきてしまい、1人でやろうとしてもなかなか完全には守れないのがもどかしいです」

――体重も変わらないように気をつけていたりするのですか?

「3年くらい前に約2カ月のファスティングで5kg落としたことがあるのですが、その時は声が思い通りに出なくなってしまいました。自分のベストよりも落とし過ぎてしまったようで、3kgくらい戻したら声が安定したので、きっと人によってベストがあるのだと思います。安定感という部分でも体はとても大切です。本当はもっと筋トレもしたいですが、筋肉を付け過ぎても声が違ってきてしまうし…。突き詰めると難しい問題なので、体重のことを考える時間があればお芝居のことを考えていたいです(笑)」

――「ケンガンアシュラ」は格闘技の試合がメインの作品ですが、格闘技の試合をご覧になることはありますか?

「たくさん見ます。もともと合気道をやっていましたし、兄がプロレス好きだった影響でプロレスも好きになり、時間がある時は見ています。MMA(総合格闘技)はもちろん、ボクシングや柔道も見ますけど、一番ハマったのはプロレスですね。三沢光晴さんや小橋建太さんが好きで、全日本プロレスからプロレスリング・ノア(NOAH)を旗揚げした時は、気持ちが高まりました。その当時は、後楽園ホールによく試合を見に行っていて。小さい時の憧れはスタン・ハンセンさんで、タイヤを叩いてウエスタン・ラリアットの練習をしていました。兄にプロレス技をかけられて、とても痛かったことを覚えています(笑)。今のプロレスはパフォーマンスがカッコ良く、新日本プロレスだとオカダ・カズチカさんや棚橋弘至さんなどがエンターテインメント性もあって好きです」

――「ケンガンアシュラ」にはプロレスラーも闘技者も出てきますね。それだけ共感して携わっていらっしゃる「ケンガンアシュラ」という作品の最大の見どころはどんなところでしょうか?

「命懸けであるということです。設定として、会社同士の利権を懸けて争っているため、会社としての威信も懸かり、会社は選手をかわいがって育てます。もちろん、シンプルに試合の面白さもありますが、そういう設定の大枠の面白さもあります。さらに、個人個人のキャラクターにしっかりとしたドラマがあり、負けられない意地や、勝つと一緒に喜んでくれる人が周りにいたり…。命懸けのため痛々しいところもたくさんありますが、会社も本気でやっていますので、本気になればなるほどどんどん試合が面白くなるんです。例えば、サッカーも全く興味の無い人にはボールを蹴っているだけに見えるけれど、それを本気でやっているから魅力的に見えます。『ケンガンアシュラ』はそういった本気度が、あらゆる方面から集まり大きな爆発力となり、より一層面白くなっています」

【プロフィール】

浪川大輔(なみかわ だいすけ)

1976年4月2日、東京都生まれ。B型。アニメ「ポケットモンスター」(テレビ東京系)、「MFゴースト」(TOKYO MXほか)、「ワンピース」(フジテレビ系)に出演中。「浪川んちに集合な!」(TOKYO MX、BS日テレ)、「浪川&岡本 ボイコミラボ」(BSJapanext)などのバラエティーも放送中。

【作品情報】

ケンガンアシュラ
Netflixにて独占配信中

19年にNetflixで配信され、世界中で人気を集めたシリーズのSeason2。企業同士の代理戦争“拳願仕合”に参加する山下一夫(チョー)と十鬼蛇王馬(鈴木達央)。王馬に対して異常な執着を見せる桐生刹那(浪川)らも含め、闘技者の戦いは壮絶を極めていく。

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取材・文/榑林史章 撮影/Marco Perboni ヘアメイク/鈴木和花 スタイリング/村田友哉(SMB International.)

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