ケイン2発にラッシュフォード弾で逆転のイングランドが予選突破! 敵地で敗れたイタリアは3位転落…【ユーロ2024予選】

[写真:Getty Images]

ユーロ2024予選のグループC第8節、イングランド代表vsイタリア代表が17日にウェンブリー・スタジアムで行われ、イングランドが3-1で逆転勝利した。

1試合消化が多い3位のウクライナ代表(勝ち点10)と共に三つ巴の争いを繰り広げる、首位のイングランド(勝ち点13)と2位のイタリアによる重要な首位攻防戦。

今節での予選突破を目指すイングランドは、1-0で勝利したオーストラリア代表との国際親善試合から先発全員を変更。負傷のサカを除きケインやライス、ベリンガム、ウォーカー、ストーンズらをスタートから起用した。

一方、直近のマルタ代表戦を4-0の快勝で飾ったイタリアは、首位撃破を狙った一戦でGKドンナルンマ、バレッラ、ベラルディを除く先発8人を変更。ディ・ロレンツォやフラッテージ、クリスタンテら主力が復帰した一方、代表初先発となるウドジェや追加招集のエル・シャーラウィを抜擢された。

立ち上がりからボールの主導権を握ったイングランドが押し込む形で試合が進んでいく。マイボール時での押し込みに加え、ビルドアップに安定感を欠くイタリアに対して前から強い圧力をかけていくホームチーム。だが、序盤で決定機まで持ち込むことはできず。

すると、序盤の守勢を凌いだイタリアはファーストチャンスを見事にゴールに結びつける。15分、カウンターから左サイドのウドジェ、エル・シャーラウィが深い位置まで運んでボックス手前を横切るパスが逆サイドのベラルディに渡る。深い位置に飛び出したディ・ロレンツォにスルーパスが繋がりグラウンダーの折り返しが供給されると、ニアでフラッテージが潰れて中央でフリーとなったスカマッカが右足ダイレクトで合わせた。

一瞬の隙を突かれて先制を許したイングランドはすぐさま反撃を開始。ただ、序盤同様に攻め切れない上、やや緩いネガティブトランジションからイタリアに深い位置まで攻め込まれるなど難しい展開に。

それでも、焦れずに戦い続けると、28分にはケインとの連携で中央を突破したベリンガムがボックス内でDFディ・ロレンツォと交錯。すると、このプレーでイングランドにPKが与えられる。これをキッカーのケインが冷静に右隅へ蹴り込み、32分の同点ゴールとした。

1-1のイーブンに戻った試合はここから一進一退の攻防に。前半終盤にかけてはイングランドが圧倒的に優勢だったボール支配率も、ほぼイーブンとなった。

ハーフタイム直前にはケインとのパス交換でボックス左に侵入したラッシュフォード、ベラルディとのワンツーで同じくボックス左に抜け出したウドジェと似たような形から決定機を作り合ったが、ドンナルンマ、ピックフォードの両守護神によるビッグセーブに阻まれ、均衡が保たれたまま試合は後半へと折り返した。

後半も立ち上がりはイングランドが押し込む展開を作り出すが、遅攻の局面では前半同様に苦戦。だが、イタリアが後半初めて深い位置まで攻め込んできた流れで得意の高速カウンターが発動する。

57分、自陣ボックス手前でのボール奪取からフォーデンが縦に出したパスをハーフウェイライン付近で受けたベリンガムが浮き球のコントロールでDFスカルヴィーニと完全に入れ替わる。数的優位のカウンターシチュエーションから左でボールを引き取ったラッシュフォードが味方をオトリにペナルティアーク付近に持ち込むと、抑えの利いた鋭い右足のシュートをゴール右下隅へ突き刺した。

ラッシュフォードの見事な一撃で試合を引っくり返したイングランドは、直後の守勢を冷静に凌ぐと、負傷明けのストーンズ、2枚目のカードリスクのあるフィリップスを下げてグエイ、ヘンダーソンを続けてピッチに送り出す。一方、追いつきたいイタリアは63分に3枚替えを敢行。ウドジェとアチェルビ、スカマッカを下げてディマルコ、バストーニ、ケアンを投入した。

一連の交代後もイングランドペースで試合が進むと、イタリアの痛恨のミスから決定的な3点目が生まれる。77分、グエイからのロングボールに反応したケインがDFバストーニと競ったこぼれを回収。カバーに入ったDFスカルヴィーニの軽い対応を鮮やかに振り切ってそのままボックス内に持ち込むと、冷静にGKとの一対一を制した。

これで試合の大勢が決した中、何とか勝ち点1でも持ち帰りたいイタリアは、ケアンを起点に最後まで懸命にゴールを目指したが、最後のところで粘るイングランドの集中した守備を前に後半はゴールを奪うことはできなかった。

そして、試合はこのままタイムアップを迎え、イタリアとの首位攻防戦を制したイングランドがユーロ2024本大会行きを決定した。

一方、敗れたイタリアは今節でマルタに3-1で勝利したウクライナに抜かれて3位に転落。次節の北マケドニア代表戦、最終節のウクライナとの直接対決へより重圧がかかる形となった。

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