首相、「還元策」検討指示へ 臨時国会の所信表明

岸田文雄首相

 岸田文雄首相が23日の臨時国会で行う所信表明演説の原案が判明した。近く政府与党政策懇談会を開催し、物価高の負担軽減に向けた減税を念頭に、税収増の一部の「還元」へ具体策を早急に検討するよう与党の税制調査会に指示する方針を表明。エネルギー価格高騰を受け、ガソリン代、電気・都市ガス代の補助を来年春まで継続する考えを示す。課題解決へ「先頭に立ち、職を賭して粉骨砕身する」と強調する。複数の政府関係者が17日、明らかにした。

 自民、公明両党は17日、今月末をめどに取りまとめる経済対策の内容を首相に提言した。所得税減税は明記されなかったが、与党内には実現を求める声が残る。首相も官邸で記者団に「大胆な取り組みに踏み込みたい」と述べており、所得税減税に踏み切るかどうかが焦点だ。年末にかけて与党が行う税制改正論議で首相の指導力が問われる。

 演説では経済対策に関し、変革を進める「供給力の強化」と物価高を乗り越える「国民への還元」を車の両輪にすると説明。企業の賃上げを促す減税措置や特許などの所得に関する減税制度、中小企業の省力化投資に対する補助制度を創設するとした。

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