1992年F1王者マンセル、ヘルメットやトロフィーなどの個人コレクションをオークションに出品。昨年はマシンも売却

 ナイジェル・マンセルが個人コレクションとして所有していた膨大な数のモータースポーツ関連アイテムが、今週RMサザビーズでオークションにかけられ、売上は200万ポンド以上もしくは約250万ドル近く(約3億6500万円)に達した。

 1992年のF1世界王者であるマンセルは、ジャージー島にある自身のミュージアムに、モータースポーツのキャリアを通じて手にした思い出の品など数百点からなる個人コレクションを保管していた。『ナイジェル・マンセル・レガシー・コレクション』と呼ばれる、レースで着用したヘルメット、レーシングスーツ、グローブ、シューズ、さらにはトロフィー、ステアリングホイールといった数多くの記念品が、326ロットに分けてオークションにかけられた。ファンやF1コレクターにとっては、F1とインディカーのレジェンドが歩んできた歴史の一部を手に入れることができる、貴重な機会となった。

 マンセルがなぜ個人コレクションを手放すことにしたのか理由は定かではないが、一切の留保なしにすべての品がオークションの対象となった。

 31回のグランプリ優勝経験のあるマンセルは、攻めのスタイルが特徴の華麗な走りで世界中のファンに愛されたが、昨年、モナコのRMサザビーズのオークションで1989年に自身が駆ってレースで勝利したフェラーリ640と1991年のイギリスGPで勝利したウイリアムズFW14を売却していた。2台の落札額は合わせて660万ポンド(約800万ドル/約12億円)に達した。

 今回のオークションで最も高い金額で落札されたのは、マンセルがF1初勝利を飾った1985年のヨーロッパGPで着用したヘルメットだった。この歴史的価値のあるヘルメットは6万8400ポンド(約1250万円)の値が付いた。2番目に高値が付いたのはマンセルがF1世界チャンピオンとなった1992年シーズンに着用していたAraiのヘルメットで、6万1200ポンド(約1120万円)で落札された。

1985年F1ヨーロッパGP(ブランズ・ハッチ) ナイジェル・マンセル(キヤノン・ウィリアムズ・ホンダ)
1992年F1モナコGP FW14Bをドライブするナイジェル・マンセル(キヤノン・ウィリアムズ・チーム)

 高値がついたトップ10のうち9ロットはレースで着用したヘルメットだったが、唯一の例外はマンセルの『5 NM』という番号が付いたイギリスのナンバープレートだった。

 また1992年サンマリノGPでの優勝トロフィーには2万8800ポンド(約526万円)の値が付いたが、賞品関連ではこれが最高値となった。さらにリストを辿っていくと、マンセルが1992年に身につけたキヤノン・ウイリアムズ・ルノー・スパルコのレーシングスーツにシューズとグローブがついたセットには、単一のロットとして2万1600ポンド(約395万円)の値が付いている。

1992年F1サンマリノGP 優勝したナイジェル・マンセル(キヤノン・ウィリアムズ・チーム)

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