小野寺副知事退任へ 茨城県 当面空席 今月末「区切り」

小野寺俊副知事

茨城県の小野寺俊副知事(71)が2025年10月の任期満了を待たず、今月末で退任する意向を固めたことが17日、分かった。小野寺氏は茨城新聞の取材に「70歳が一つの区切りと考えていた。後進に道を譲りたい」と話した。茨城県の副知事は2人制で、当面1人空席となる。後任については今後、人選が進められ、早ければ12月開会予定の県議会で提案される見通し。

小野寺氏は17年10月、県教育長から副知事に就任した。大井川和彦知事の就任当初から、幅広い行政経験を生かして県政運営に当たった。2期目の任期は今月末が折り返し。

小野寺氏は、企業誘致や教育改革などを大井川県政の成果として挙げ、「副知事として一定の役割を果たせたと思っている。県庁内も安定し、2期目中間点の今が潮時」などと述べた。

岩手県一関市出身。早稲田大法学部卒。1975年に入庁し、財政課長や理事兼政策審議監、総務部長など知事部局の要職を歴任した。東日本大震災直後の2011年4月に県教育長に就き、教育現場の対応や復興に当たった。

19年の茨城国体では茨城県選手の強化に成功。副知事就任後は、大井川知事が進める県政の変革やスピード感ある行政運営に対し、職員のまとめ役として手腕を発揮してきた。

副知事は特別職で、選任には県議会の同意が必要となる。現在、もう1人の副知事は、国土交通省出身で内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(総括担当)だった横山征成氏(54)が22年6月から務めている。

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