一足早く冬支度 松のこも巻き 後楽園、伝統的な害虫の駆除法

松の幹にこもを巻く造園業者

 岡山市の後楽園で18日、松を害虫から守る「こも巻き」が行われ、名園が一足早く冬支度を整えた。

 枝葉にいた害虫が越冬で地中に下りていく習性を利用し、わらで編んだこもに誘い込む伝統的な駆除法。秋晴れの下、造園業者12人がアカマツやクロマツ約240本の幹に3種類のこも(幅25~50センチ、長さ85~170センチ)を巻き付け、手際よく縄で縛った。来園者が写真や動画に収め、秋の風物詩を堪能した。

 毎年、こも巻きを見に訪れるという女性(51)=同市南区=は「季節が変わっていくのを実感できますね」と話した。

 こもは、害虫が再び動き出すとされる二十四節気の一つ「啓蟄(けいちつ)」(来年3月5日)までに外して焼却する。

© 株式会社山陽新聞社