現代演劇の新たな可能性を探り、これまでにない寺山ワールドを展開する 寺山修司全作品上演計画第20弾『白夜』上演決定!

現代演劇の新たな可能性を探り、これまでにない寺山ワールドを展開する池の下主催、寺山修司全作品上演計画第20弾『白夜』が12月15日 (金) ~2023年12月17日 (日)に劇場MOMOで上演される。 池の下の寺山演劇は、寺山が書いた戯曲を、演劇を創作する上での一つのテキストととらえて、再現よりも再生を求めて上演するところに特徴がある。 『白夜」は、寺山が60年前に文学座のアトリエ公演にむけて書いた作品。それを今回の上演では、「不在とは何か」ということをテーマに新たに作品を立ち上げて行く。 チケットはカンフェティにて発売中。

「白夜』あらすじ

舞台は釧路の北海岸の安ホテル。劇の主人公、猛夫はともに暮らしていた弓子を探してこの最果ての地にたどり着いた。はじめに姿を消したのは猛夫のほうだった。弓子と二人で幸せな日々をおくってきたが、ある日、ふと思い立って猛夫は家から姿を消した。安宿に泊まりながら、「幸せな家での自分」の不在を思って過ごし、ちょうど1ヶ月たったとき、彼は何事もなかったかのように家に戻った。だが、家には弓子の姿はなかった。

それから1年間、猛夫は弓子を家で待ち続けたが、弓子はついに現れなかった。1年目に彼は全ての家財を売り払い、弓子を探す旅に出かける。5年間、日本中を探し続けた末に、弓子と泊まったことのある釧路の安ホテルに行きつく。ホテルの人びとに弓子のことを尋ねるがみな知らないという。しかし猛夫はホテルの部屋の片隅で弓子の所有物を見つけ、ホテルの主人を問いつめるが、主人は弓子を探し続けるのはもう諦めたほうがいいと諭す。猛夫は弓子が近くにいるかもしれないという喜びのなかで眠りに陥る。そしてホテルの人びとは1週間前にこの部屋で自殺した女の話をする。彼女の名は「久方弓子」だった。

▲『疫病流行記』

▲『盲人書簡』

▲『狂人教育』

【池の下プロフィール】

1996年1月 演出家 長野和文を中心に、演劇と舞踏の融合する新たな地平をめざし結成。96年8月から寺山修司初期作品連続公演をスタート。寺山の未知なる面に新たな光をあてる作業を行う。

2006年8月の利賀演出家コンクールでは、野外劇場で寺山修司の代表作「犬神」を上演して優秀演出家賞を受賞。さらに2007年夏に、寺山の人形劇台本『狂人教育』を俳優たちによる池の下独自の身体表現方法で創作し、3カ国6都市連続公演(韓国:密陽演劇祭/ソウル公演)、(大阪公演)、(名古屋公演)、(東京公演)、(上海:国際小劇場演劇祭)を敢行して好評を得。

さらに『狂人教育』は2019年、ポーランドのグダニスク・シェイクスピア劇場とグロトフスキ研究所より招聘を受けて上演し、テレビ取材や各種媒体で取り上げられるなど様々な反響を呼ぶ。

今回は寺山修司全作品上演計画第20弾として『白夜』を上演する。

【長野和文プロフィール】

池の下代表、演出家、俳優教育指導者、美術家。東京、浅草生まれ。小学校時代から油彩をはじめ、水上敬司(二紀会)より指導を受ける。桐朋学園演劇専攻在学中から舞踏に傾倒。大野一雄に師事。専門学校、大学などで俳優教育の講師を続けながら、身体ワークショップを行い、そこを基盤に演劇集団 池の下を結成する。寺山修司全作品上演計画やMISHIMA PROJECTなどを展開し、フィジカルでシンボリックな舞台は、国内外を問わず高い評価を得ている。

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