神戸の市街地でびっくり、住吉川にオオサンショウウオ! 専門家も驚き 3年前の目撃情報と特徴一致

住吉川下流で見つかったオオサンショウウオ=10月中旬、神戸市東灘区(津和敏夫さん提供)

 神戸市東灘区の市街地を流れる住吉川下流で、国特別天然記念物の在来種とみられるオオサンショウウオが1匹見つかった。今回発見されたほぼ同じ場所で、3年前にも目撃情報があった個体と特徴が似ているという。専門家は「都市河川でよく3年も生きてこられたと率直に驚いている」と話す。

■タマちゃん級か

 13日午後11時ごろ、同区に住む自営業の津和敏夫さん(37)がウオーキングの合間に川の生き物を観察していて気付いた。人のひざ下程度の浅い川底で小魚を食らう大きな生き物。茶色っぽくて、体長は70センチほどだった。

 津和さんは慌ててスマートフォンで撮影。素早く頭を振る姿を見て襲われる危険を感じ、近づかないようにしたという。「多摩川でアザラシのタマちゃんが見つかったのと同じぐらいの衝撃だった」と振り返る。

■ほぼ同じ場所で2度

 旧神戸市立須磨海浜水族園(来年6月に新水族館が開業予定)には2020年、ほぼ同じ場所でオオサンショウウオの目撃情報が2度寄せられた。

 水族園の運営会社「グランビスタホテル&リゾート」によると、当時の「右脚が欠損している」との情報と今回の特徴が一致。国の特別天然記念物に指定されている在来種とみられ、誰かが放したのか、上流から流れて来てすみ着いたのかは判別できないという。

■水温低くきれいな川

 六甲山の水源と近い住吉川の下流は、上流並みに水温が低いためオオサンショウウオの生息にも好条件とみられ、同園飼育員の馬場宏治さん(55)は「エサになる魚にも困らないぐらい川がきれいに保たれている証しでは」とみる。許可なく捕まえることは禁止されており、「見つけても決して触らず、温かく見守ってほしい」と呼びかけている。

 兵庫県立人と自然の博物館(三田市)が07年、オオサンショウウオの県内の目撃情報を分析したところ、計600件余りのうち、神戸市内は有野川や奥山川など北区付近での4件しかなかったという。(井上太郎)

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