南島原・加津佐漁港でイワシ大量死 原因はイルカ? 赤潮発生は確認されず 長崎県

漁港内で大量死したイワシ=18日午後2時半、南島原市の加津佐漁港

 長崎県南島原市加津佐町の加津佐漁港で、イワシが大量死しているのが見つかった。死骸は漁港全体に広がっており、地元の漁協関係者は「漁港内に大量にイワシが入り込んで死ぬのは初めて」と困惑している。
 漁港でイワシの群れが確認されたのが16日午前。漁業者から漁協に「イワシが大量に浮いている」と連絡があった。17日に県が水質検査を実施したところ、水中の酸素濃度が通常より低いことが分かった。
 市水産課によると、規模は不明だが「数十万匹はいるのではないか」。漁港内には腐敗臭がたちこめており、福田好則同課長は「漁港を管理する県に死骸の回収を早急にお願いしたい」と話す。
 大量死の原因は分かっていないが、島原半島南部漁協の木村大地加津佐支所長は「数日前、40、50頭のイルカが漁港周辺で確認されていた。イワシを捕食するハガツオをイルカが港内に追い込み、その結果、大量のイワシが漁港内で酸欠状態になり窒息したのではないか」と推測する。
 周辺海域で赤潮発生は確認されていないが、早崎瀬戸を挟んで加津佐漁港の対岸にある熊本県天草市五和町の御領漁港でも18日にイワシの大量死が発生。天草漁協は「御領漁港だけで起きた現象。漁協職員や地元の漁業者ら約50人が回収作業に追われている」と困り果てていた。

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