フィリーズの総合力を向上させたハーパーの「一塁コンバート志願」

フィリーズの内野守備コーチを務めるボビー・ディッカーソンは今週、「トレイ・ターナーがブライス・ハーパーのことをスーパーマンと呼んでいたよ。彼がチームのためにやってくれていることは信じられない」と語った。トミー・ジョン手術から早期復帰し、当初はDH、現在は一塁手としてラインナップに名を連ねているハーパー。今年4月にハーパーが一塁守備に挑戦することを志願したことがフィリーズを大きく変えた。一塁にハーパーが入ったことで、フィリーズの総合力は間違いなくアップしたのだ。

フィリーズは正一塁手リース・ホスキンスがオープン戦で左ひざ前十字靭帯断裂の重傷を負って今季絶望に。当初、ダリック・ホールが対右腕用の一塁手として起用される見込みだったが、ホールも右手親指の手術を受けて長期離脱となってしまった。それ以降は正三塁手アレック・ボームに一塁を兼任させたり、コディ・クレメンスやドリュー・エリスを一塁で起用したりしたが、なかなか上手くいかなかった。ハーパーはそうしたチーム状況を見て「自分が一塁を守ることができれば大きな助けになる」と考え、4月のある日、デーブ・ドンブロウスキー編成本部長とロブ・トムソン監督に自身の考えを打ち明けたのだった。

ボームは「彼は何をするのがチームにとってベストなのかを見抜いているんだ」と語る。ハーパーが一塁に回ったことでDHが空き、フィリーズは守備に不安を抱えるカイル・シュワーバーをDHに固定できるようになった。ハーパーは慣れない一塁の守備を無難以上にこなし、OAA+2、DRS+1を記録。ハーパーが一塁を守れるようになったことによって、フィリーズの総合力は間違いなく向上した。

慣れないポジションなだけに、全てを完璧にこなせているわけではないが、ディッカーソン内野守備コーチは「いろいろな判断をしなければならないポジションだが、しっかりこなしていると思う。私は最初から『本気でやれば絶対にできる。キミには十分な才能がある』と彼に言い続けてきたんだ。将来的にゴールドグラブ賞を受賞する可能性もあると思う」と評価する。「いいアイディアだったと思うし、上手くいっている」とハーパー。MVP2度の実績を誇るスーパースターでありながら、チームのために献身的に働くその姿勢が現在の快進撃につながっている。

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