63年前、福武線「モハ200形」に試乗した子集まれ…現在75歳前後 福井鉄道が10月22日に“同窓会”企画

だるまや西武(現西武福井店)の前を走るモハ200形=1982年7月、福井県福井市中央1丁目(福井鉄道提供)
200形の試乗会の様子を伝える1960年3月29日付の福井新聞の記事。クロスシートを楽しむ子どもたちの写真も掲載している

 福井県の福井鉄道は福武線開業100周年記念企画の一環で、1960(昭和35)年の「モハ200形」車両のデビュー時に行った試乗会の参加者を探している。当時小中学生で現在75歳前後。“同窓会”として10月22日に集まってもらい、200形の展示車両内で記念写真を撮影する考えで、連絡を呼びかけている。

 200形は車体上部がベージュ、下部が青で2016年まで運行していた。同社によると、国鉄(現JR)の電化に対抗するため、自社発注で当時の最新技術で製造。全国的に人気だった4人が対面して座る「クロスシート」を導入し、福鉄鉄道営業部の白崎正臣さん(47)は「靴を脱ぐ乗客もいたほど、当時は衝撃的だった」と話す。

⇒【写真複数】試乗した子どもたちの姿

 モハ201~203の3編成あり、地方私鉄有数の古参車両として人気だったが、次世代型低床車両「フクラム」の導入に伴い順次引退。201、202は解体され、現在は203が越前市北府2丁目「北府駅鉄道ミュージアム」で展示されている。

 22日は同ミュージアムで開く「福武線開業100周年記念イベント」の一環で「モハ200形とよいこの同窓会」と銘打ち、普段は非公開の展示車両内で記念写真を撮る予定。試乗会参加者で連絡のあった人に招待状を送る。連絡先は同社鉄道営業部=電話0778(21)0706。

⇒「北府駅鉄道ミュージアム」オープン

“同窓会”企画のきっかけは当時の福井新聞記事

 今回の「モハ200形」の同窓会は、福井鉄道の社員が、63年前の試乗会を伝える福井新聞記事を見つけたのをきっかけに企画した。記事は1960年3月29日付で、見出しは「よいこたち二百人乗せ 福鉄、新車の試乗会」。福井―鯖江間を時速60キロで走り「オレンジとブルーに塗られた美しい車体で、ロマンスシートに腰かけたこどもたちは『立派な電車だな。東京の電車みたいだね』と大喜び」と書かれている。

 福井鉄道の資料によると、試乗会は2回行われ、沿線三十数校の小中学生計600人を招待した。このうち4人が見つかっており、当時9歳で福井市宝永小学校児童だった女性(73)は車内で撮影した写真を保管していた。「当時電車にはなかなか乗れなかった。クラス全員で行き、とても楽しかった」と懐かしむ。

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