【武見厚労相】鎮咳薬や去痰薬の供給「9月末時点よりも1割以上増える見通し」

【2023.10.19配信】武見敬三厚労相は10月18日に会見し、鎮咳薬と去痰薬の安定供給に向けた更なる緊急対応について説明。鎮咳薬や去痰薬のメーカー主要8社に供給増加を要請した結果、年内は他の医薬品の生産ラインからの緊急融通、そしてメーカー在庫の放出等により、9月末時点よりも更に1割以上供給が増える見通しとなったとした。

武見厚労大臣は、10月18日18:06~会見し、鎮咳薬と去痰薬の安定供給に向けた更なる緊急対応について説明。インフルエンザや新型コロナウイルス感染症等の感染症の拡大に伴い、鎮咳薬と去痰薬の需給が逼迫しているとし、更なる緊急対応として鎮咳薬や去痰薬のメーカー主要8社に、供給増加に向けたあらゆる手段による対応を要請した結果、年内は他の医薬品の生産ラインからの緊急融通、そしてメーカー在庫の放出等により、これらの社の出荷量について、現時点で鎮咳薬は、約1,100万錠、そして去痰薬は約1,750万錠の増加が可能となるなど、9月末時点よりも更に1割以上供給が増える見通しとなったとした。これに先立ち、厚労省では9月末に、初期からの長期処方を控え、医師が必要と判断した患者へ最少日数での処方とするよう、協力要請などを行っていた。

さらに、メーカー側からは、年明け以降に更に増産するためには、一定の教育訓練を受けた製造人員を新たに確保した上で、24時間の生産体制へと移行することや、他の医薬品の生産ラインからの更なる緊急融通を図ること、効率的な生産に向けた設備の増強を図ることが必要との声があったといい、こうした声も踏まえ、今般の経済対策の中で、これまで増産要請に対応してきた企業に、更に増産に向けた投資を行ってもらうための支援を講じる方向で検討を進めていることも明らかにした。

加えて、令和6年度薬価改定において、供給不足が生じていて不採算品と考えられる品目について、薬価上の対応も検討していくという。また、来年以降増産するためには、原薬について代替的な供給源を確保する必要がある場合もあるとし、安定供給に支障が生じている、またはその恐れがある医薬品については、製造所等の一部変更承認申請に迅速に対応することとし、一昨日、10月16日にその旨、通知を発出したことも説明した。

武見大臣は、「国民に必要な医薬品を確実にお届けできるよう、今後ともあらゆる手立てを講じてまいります。国民の皆様、医療関係者の皆様、医薬品の流通に関わる皆様、そしてメーカーの皆様、引き続きご協力をお願い申し上げます」と述べた。

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