伊万里トンテントン、中高生参加方針変えず 実行委員会が市民グループに回答

 伊万里市の伊万里トンテントン祭りの実行委員会は18日、神輿(みこし)を組み合う「合戦」に未成年を参加させないよう求めた市民グループに対し、「参加方針は変えない」と回答した。グループのメンバーで2006年に合戦中の事故で亡くなった当時17歳の高校生の父親、松尾和彦さん(69)は「思いが届かず、がっかりしている」と話した。

 実行委が同日夕、回答の書面をグループ代表宅に届けた。実行委によると、12日に要望を受けて複数回協議し、今年の祭り(20~22日)から中学生以上の未成年を合戦に参加させる方針は変えないと決めたという。現在中学生7人、高校生2人が参加の意思を示している。

 香月孝夫委員長(60)は「事故を起こさないための対策は十分に取れている。要望を真摯(しんし)に受け止めながらも、伝統を継承するためには中学、高校生の参加が必要と判断した」と述べた。

 松尾さんは「少しでも安全な祭りになってほしいという思いで今回声を上げた。決めるのは向こうだから止めることはできないが、安全にしていると一言で済ますのではなく、どんな対策を取るのか詳しく説明すべきではないのか」と対応に疑問を呈した。(青木宏文)

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