つながりを再構築 コロナ禍越え本宮小と地域が交流、和歌山・田辺市

「本宮つながりフェス」で交流をする児童と地域住民(18日、和歌山県田辺市本宮町で)

 今春に校舎を移転した和歌山県の田辺市本宮小学校(田中活介校長、53人)は18日、児童や教職員が地域住民らと交流する「本宮つながりフェス」を初めて開いた。交流が難しかったコロナ禍が長く続いたこともあり、田中校長(54)は「学校と地域とのつながりを再構築するためのスタートにしたい」と話した。

 本宮小は本年度、過去に浸水被害も受けた同市本宮町耳打の校舎から、本宮町本宮の高台にある本宮中学校そばの新校舎に移った。

 つながりフェスは体育館で開き、児童や教職員のほか、地域住民や町内の他の学校の教職員、本宮行政局員ら計約100人が参加した。

 田中校長は「普段、学校へ来る機会が少ない地域の方々を中心にお越しいただいた。皆さんが本宮町の子どもたちを大切にしてくれているということを児童に気付いてもらえる時間にもしたい。世代を超えて交流ができれば」とあいさつした。

 児童と地域住民らが簡単なゲームを通じて交流を深めた後、2重の輪をつくって席を移動しながら会話をする「トークフォークダンス」に挑戦した。向かい合った大人と子どもが「もう一度食べたい給食のおかずは」「本宮町のいいところ」「本宮小のいいところ」などのテーマで和気あいあいと話した。

 5年生の内野紗希さん(11)は「人見知りだけど、出会ったことがない人と話すことができて楽しかった」と笑顔。住民の渕上太志さん(56)=本宮町本宮=も「小学校に来るのは20年ぶりぐらい。子どもたちと交流できて刺激を受けた」、鈴木佐都美さん(64)=本宮町小津荷=は「これからも子どもたちを見守っていきたい」と話した。住民と教職員との交流もあった。

 同校では今後、この取り組みを地域学習に生かしたり、新たな取り組みにつなげたりしたいという。

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