25歳の副校長はYouTuber!“テスト廃止”“校訓変更”など改革続々

広島桜が丘高校で働く、25歳の桐原琢(たくま)さん!

年齢的に新人教員かと思いきや、大学新卒にして大抜擢となる「副校長」の肩書を持っています。

さらに、そんな彼のもう一つの顔、それは「登録者数30万人以上」の教育系ユーチューバーです。

25歳の桐原副校長は、就任以来「中間・期末テストの廃止」や「校訓を変更する」など、次々と新たな学校改革を打ち出してきました。若き副校長の挑戦を追いました。

◆桐原副校長が教壇に立つ理由

午前6時半過ぎ。副校長の朝は早い。

「ほとんどこの時間です。もう慣れました」

学校には大体いつも一番乗りで到着。1日は職員室で授業の準備をするところから始まります。

手慣れた様子で作るのは、自作の資料。他の先生が出勤してきたころ、資料はしっかりと出来上がっていました。

副校長に就任したのは、2023年4月。

教育に関わりたいと、3回大学受験をした経験を生かして大学生時代に勉強法などをYouTubeで発信!

認知度が高まり、全国から講演会の依頼を受け、桜が丘高校の教育アドバイザーから副校長になりました。

副校長とはいえ、教員として授業も担当しています。ただ、科目は「公民」のみ。

「教員免許は持っておらず、広島県から臨時免許という形で「公民」という科目だけに許可を得て授業をしている形になります」

大学では法学部を卒業。「公民」は、教員免許をとっていなくても教えられる唯一の科目でした。副校長という立場からすれば、授業を受け持たなくても良さそうに思いますが、教壇に立つのには理由がありました。

「学校改革をしていく上で、生徒たちがどのようになりたいか、そういうのをキャッチしないといけないなという部分が僕の中であったので、ぜひ授業は持ちたいなと思いました」

◆授業に「eスポーツの導入」、「中間・期末テストの廃止」

桐原副校長が就任して、実施している改革の一つに「eスポーツ」があります。タブレットやカードを使って行うゲームを通して、仲間とのコミュニケーションを図る授業です。

「相手を受け入れる受容と意思疎通による協調・協力」をメリットとして挙げる一方で、「授業とのON・OFFの切り替えが難しい」などとデメリットもあると話します。

また副校長自ら、進路相談にも。法学部の先輩として、法学部を目指す生徒とともに約1時間、大学受験に向けての模擬面接や提出課題のチェックなどをしました。「アドバイスが自分の中ではしっくりくる」(3年女子生徒)と、年齢の近さもあってか、生徒にとっては、良き相談相手になっているようです。

他にも「中間・期末テストの廃止」という大胆な改革も。「以前よりも勉強をする時間が増えた」という生徒がいる一方で、「大きいテストだとちょっとでも勉強しようとなるけど正直、単元テストとなると範囲が狭いのであんまり勉強しなくてもいいかなって」という声もありました。

◆「自分で限界を決めるのは違う」 校訓「自考自創」への思い

10月には、校内にコンビニエンスストアが誕生。これは、今年5月に生徒会が初めて調査した「全校生徒から集めた要望」にあったもので、校長へのプレゼンを経て、見事実現しました。

この生徒会の顧問として、生徒たちを支えたのが桐原副校長です。

「自ら考え自ら創る」

桐原副校長が改革で打ち出した校訓「自考自創」を、生徒たちが実際に形にしました。

「『自分で限界を決めている』というところが、僕はこの学校に来てから思うことがあって。そうじゃない、まずはやってみてから自分ってこんなにできるんだっていう可能性があることを知ってほしい」と話します。

生徒たちがやりたいことができる環境を目指して、まだまだ桐原副校長の学校改革は続きます。

※内容は、10月11日放送当時

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