福井の大学生が挑戦、里地の空き家をサウナ&カフェに 地域交流の拠点、2024年夏ごろオープンへ

改修する空き家と野田周成さん(右)=福井県福井市清水畑町

 福井県福井市清水畑町にある空き家と敷地一帯を整備してサウナとカフェを併設する地域交流の拠点をつくろうと、福井大学4年の野田周成さん(21)=同市=が大学の友人や父らとプロジェクトを進めている。「若者からお年寄りまで幅広い世代が集う場に」と意気込む。福井県のふるさと納税型クラウドファンディング(CF)で10月31日まで支援を募っている。

 野田さんの父が今年、空き家だった民家を持ち主から借り受けた。市街地から車で20分ほどの里地にあり、野田さんは「この場所を有効活用できたら」と、自身の好きなサウナで地域おこしを考えた。

 今年7月、大学の友人や父ら約10人が作業に着手。背丈が10メートルほどある雑木や雑草を除去した。また、屋内に侵入したハクビシンなどとみられる動物によって、玄関や部屋にこびりついていたふんや泥まみれの足跡の清掃にも汗を流した。

 全体で約2千平方メートルの敷地のうち、約250平方メートルの屋外スペースに5人ほど入れる木製のサウナや水風呂、シャワーを設置する。自然豊かな環境を生かすため、ストーブの燃料となる薪は付近の里山から集め、水風呂に使う水は敷地内に井戸を掘り地下水をくみ上げて確保する予定。

 荒れている農地を野菜や果物を栽培できる環境に整え、取れたての素材を用いた料理を提供するカフェスペースを民家内に設ける。福井の繊維技術を用いたサウナグッズなどの展示、販売も構想している。

 野田さんは「ゆくゆくは地元住民とともに、和気あいあいと過ごす場を一緒につくっていきたい。空き家を活用する一つのモデルケースとなれば」と期待している。

 今後、雑木の伐採や門にペンキを塗ったりする作業を引き続き行い、来年の夏ごろをめどにオープンする計画。

 目標額は100万円。寄付はCFサイト「レディーフォー」から。5千~10万円のコースがあり、サウナ招待券などの返礼を用意している。

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